今回は『鳥の雑学』として
1、歯がない鳥は、どうやって食べ物を消化しているの?
2、鳥に歯がないのはなぜ?
の2つを中心に、”わかりやすく” 5分程度で説明します。
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鳥に歯がないのはなぜ?/どうやって食べ物を消化してる?
歯がない鳥は、どうやって食べ物を消化している?
まずは「歯がない鳥は、どうやって食べ物を消化している?」から。
鳥には歯がないので、人間のように食べ物を ”かみ砕く” ことはできません。
鳥が ”かみ砕く” 代りに使っているのは、「素嚢(そのう)」と「砂嚢 (さのう)」です。
まず、鳥がエサを食べると「素嚢(そのう)」という ”貯蔵器官” にエサを保管しておきます。
そして少しずつエサを「砂嚢 (さのう)」という消化器官に移動させて ”かみ砕く” 行為をします(歯の代用)。
「砂嚢 (さのう)」には、”小石” や ”砂” が入っていて、
歯を使ってかみ砕かなくても、小さく分解できるようになっています。
ただし、鳥類であれば必ず「砂嚢 (さのう)」はもっていますが、
すべての鳥類が「素嚢(そのう)」をもっているわけではありません。
小型の昆虫などだけ捕食するタイプの鳥は ”食べ物を少しづつ消化していく必要性” がないため、
「素嚢(そのう)」はなくても困らないのです。
ちなみに、「砂嚢 (さのう)」は ”焼鳥” でいうところの「砂肝」にあたります。
もう1つ雑学を加えておくと、関西の方では ”砂肝” のことを ”砂ずり” と呼ぶことが多いようです。
こういった、「関東(から上)」と「関西(より西)」では呼び方が違うものが多々あって、
関東における ”しらたき” を 関西では ”糸こんにゃく” と呼んだりします。
おもしろいことに、関東で通じるものは、だいたい関西でも通じますが、
関西で通じるものが関東で通じる…とは限りません。
さて、少し脱線してしまいましたが、
続いて「鳥に歯がないのはなぜなのか」、その理由をみていきましょう。
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鳥に歯がないのはなぜ?【3つの理由】
ここからは「鳥に歯がないのはなぜ?【3つの理由】」です。
鳥から歯がなくなった理由は、”進化の過程でなくなった” ため推理することしかできません。
少なくも鳥の祖先だと考えられている ”始祖鳥” の化石からは ”歯が見つかっている” ので、
生存と繁殖の上で、歯がなくても困らなかった or 歯が不要だったために退化していったと考えられます。
では、歯がない理由について考察していきましょう。
1、体重を軽くするため
生存率を考えるうえで、もっとも妥当なのは「体重を軽くするため」という理由です。
”歯がある” ということは、それをかみ砕くために重い ”咀嚼筋(そしゃくきん)” を装備しなければなりません。
また、歯の主成分はリンとカルシウムの化合物で、歯自体にも重さがあります。
そのため、雑食性の鳥がしっかりとかみ砕くための歯を持とうとすると、
300~500g程度は重量を増さないといけないので、その分体重が重くなることになります。
(砂肝の重さは20~100g程度)
体重を重くするということは、それだけ空を飛ぶための筋力・持久力をつけなければいけないなく、
筋肉質な体を維持するためには、栄養満点のエサをたくさん食べなければなりません。
つまり、生存上「体重を軽くした方が生きやすかった」ために「歯が退化した」のではないでしょうか。
2、クチバシによって細かくちぎれるため
次の「鳥に歯がない理由」は、”クチバシの存在” です。
大きな獲物を捕まえる鳥には ”クチバシ” が ついているため、
歯がなくても獲物を食いちぎることができます。
そのため、重たい ”歯の一式セット” がなくなり、 ”クチバシ” が進化していったのではないでしょうか?
3、歯でかみ砕く時間を短縮するため
最後の「鳥に歯がない理由」は ”時間短縮のため” です。
小型な鳥類は、常に大型の猛禽類に捕食されるリスクがあるので、
できるだけ 短い時間でエサを探し、食べ終えてしまいたいと考えるはずです。
歯を使ってイチイチ噛んでいると、それだけエサを探し続ける時間が長くなり、
巣から離れた危険な外に滞在する時間が長くなります。
また、飛行するには大きなエネルギー使い、エサとなるのは相対的に小さい虫や栄養価の低い植物なので、
単純により多くのエサを食べるために、常に飛び続けた結果歯が退化していったのかもしれません。
以上、「鳥に歯がないのはなぜ?【理由】」について考察しました。
実際のところは、進化の原因・要因は誰にもわからないので、
”歯がなくてもよかった”、”歯がない方がよかった” のどちらかだったということしか分かりません。
個人的には「体重の軽減」が生存上そこそこ有利で、
たまたまそれが遺伝していったと考えるのが納得できる回答です。
これにて『鳥に歯がないのはなぜ・どうして?/どうやって食べ物を消化してる?【3つの理由】』は終了です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
『鳥に歯がないのはなぜ・どうして?/どうやって食べ物を消化してる?【3つの理由】』まとめ
歯がない鳥は、どうやって食べ物を消化している?
・ 鳥は「素嚢」によってエサを保管している(例外あり)
・ エサを少しずつ「砂嚢 」に送り、砂嚢の中にある石や砂で分解している(歯の役割)
鳥に歯がないのはなぜ?【3つの理由】
1、体重を軽くするため
2、クチバシがあるので、細かく食いちぎるための歯はいらない
3、歯でかみ砕く時間を短縮するため