化学

元素|どうやって元素は誕生した?体内・地球・大気(空気)の元素ランキングは?

投稿日:2016年4月24日 更新日:

 

「化学の基礎」の説明ももう終盤です。

あとは「元素」と「全元素の解説」を残すのみとなりました。

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今回は『元素ーどうやって元素は誕生した?体内・地球・大気(空気)の元素ランキングは?』の説明として、

「元素の誕生」、「体内に含まれる元素ランキング(トップ5)」、

「地球・大気(空気)に含まれる元素ランキング(トップ5)」の3つをご紹介します。

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元素/どうやって誕生した?体内・地球・大気(空気)の元素ランキングは?

 

元素の誕生と成り立ち

 

まずはどうやって元素が誕生したのかをみていきましょう。

元素(原子)には陽子と中性子が必須なので、まずはこれらの要素が誕生する必要がありますね。

 

まず宇宙の誕生後すぐに、宇宙の温度は下がり始めます。

 

そのときクォークという陽子や中性子を構成する素粒子がまず3つ融合したと考えられます(陽子、中性子の誕生)

 

陽子が1個できるということは、水素の原子核ができるということなので、

この時同時に水素元素のもと(水素原子核)は誕生したことになりますね。

ここまでの過程で宇宙の誕生から1秒もかかっていないと考えられています。

 

その後すぐに、陽子1個と中性子1個からなる「重水素原子核」や陽子1個中性子2個からなる「三重水素原子核」を経て、

ついに陽子2個中性子2個からなる「ヘリウム原子核」が誕生します。

 

ここまでの段階では、電子を含まない原子核だけなので、まだ原子とは呼べません

 

しばらく宇宙が膨張し続けるにつれ、宇宙の温度はより下がっていきます。

すると周囲を飛び交っていた電子の動きが鈍化するなどし、

陽子にとらわれるようになってきます(電子はマイナス、陽子はプラスの電荷)

 

陽子1個と電子1個がセットになったことで、ようやく水素原子が誕生したわけですね

 

ここまでの過程でおよそ38万経過したと考えられています。

基本的に原子番号の小さい水素、ヘリウム、リチウムまではこの原理で誕生したと思われます。

 

では、もっと重い元素、炭素や酸素などはどうやって誕生したのでしょうか?

 

実は現在でも議論が分かれてはいるのですが、

少なくとも鉄までの元素は「核融合反応」によって生み出されたと考えられます

 

宇宙誕生の初期の頃では、元素が水素、ヘリウム、リチウムと限られてはいますが、

これらが集まり星を形成することはできます。

 

この星(恒星)という密集した空間内で、

いくつかの原子核が融合することで(=核融合)、新たな原子核をもつ原子が誕生したと考えられます

 

例えば、陽子・中性子数2のヘリウムが3つ同時に融合すれば、陽子・中性子数6の炭素の原子核ができます。

以上のような「核融合反応」で、

原子核が最も安定する鉄までは合成されるのですが、それより重い元素が誕生する可能性は極めて低いと考えられます。

 

では、どうやってウランなどのより重い元素は合成されたのでしょうか?

 

諸説あるのですが、核融合より強い反応をもたらす要因として「超新星爆発」が考えられます

 

超新星爆発とは、太陽よりもはるかに思い恒星が一生の最後にもたらす超爆発のことです。

重い元素を合成させるだけのエネルギーはあるので、現在のところ最も有力視されています。

 

以上が簡単な「元素の誕生と成り立ち」です。

 

少し小難しい話が続いてしまったので、次は「体内、地球、大気(空気)に含まれる元素トップ5」を紹介します。

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体内に含まれる元素ランキングトップ5

 

まずは「体内に含まれる元素ランキング」トップ5から。

 

私たちヒトの体内も当然元素によって構成されています。

しかも、たった5つの元素だけで体の97.5%ほどを占めています(重量%)

 

その元素とは

水素

炭素

窒素

酸素

カルシウム

の5つです。

 

さて、どのような順番か想像してみてください。

少し意外な結果かもしれません。

 

では、体内の元素ランキングの解答です。

1、酸素(O)     65.0%

2、炭素(C)     18.0%

3、水素(H)     10.0%

4、窒素(N)     3.0%

5、カルシウム(Ca) 1.5%

 

1位はダントツで「酸素」です。

炭素や窒素と間違ってしまう方が多いでしょうか?

 

酸素元素は、水分子だけでなく、多くの代謝活動に関わってくるので存在量が圧倒的に多くなっています。

とはいっても、トップ5に入らないリンや鉄、銅なども必須の元素なので、決して優劣関係があるわけではありません。

 

 

地球、大気(空気)に含まれる元素ランキングトップ5

 

続いては「地球・大気に含まれる元素ランキング」トップ5の問題です。

 

まずは大気を含めず、地殻に存在する元素に限定しましょう。

それでは、地球(地殻)の元素ランキングの解答です(重量%)

 

1、酸素(O)       49.5%

2、ケイ素(Si)     25.8%

3、アルミニウム(Al)  7.56%

4、鉄(Fe)       4.70%

5、カルシウム(Ca)   3.39%

です。

 

 

ちなみに地球の大気(空気)元素ランキングは、

1、窒素(N

2、酸素(O

3、アルゴン(Ar)

4、二酸化炭素(CO

5、ネオン(Ne)

ですね。

 

こちらは、『希ガス』の記事でも説明しましたが、アルゴンやネオンといった希ガスを除けば必ず分子構造です。

 

アルゴンなんて初めて聞いたという方もおられるかもしれませんが、

希ガス(周期表の一番右側の族)は深海潜水用のボンベに含まれるなど体に無毒な気体として覚えておいても良いと思います。

他に変声ガスに使われるヘリウムも希ガスです。

 

以上、『元素ーどうやって元素は誕生した?体内・地球・大気(空気)の元素ランキングは?』でした!

最後までお読みいただき、ありがとうございました<(_ _)>

 

さて、これで「元素」自体の記事は終わりとします。

最後は、「全元素の解説」です。

100種類以上すべて説明する気力が私にあるとは思えませんが、書けるところまでは説明していくつもりです。

※ すべての元素説明を書き終えました<(_ _)>

 

「元素ー元素の誕生と体内・地球・大気(空気)の元素ランキング」まとめ

元素の誕生と成り立ち

・ クォークという陽子や中性子を構成する素粒子がまず3つ融合した(陽子、中性子の誕生;水素原子核の誕生)

・ 重水素原子核や三重水素原子核を経て、陽子2個中性子2個からなるヘリウム原子核が誕生

・ 宇宙の温度低下により電子の動きが鈍化するなどし、陽子にとらわれるようになる

・ 原子核を周囲を電子がしゅうかいするようになり、水素、ヘリウム、リチウム原子が誕生

・ その後、少なくとも鉄までの元素は「核融合反応」によって生み出された

・ 鉄よりも重い元素は、超新星爆発によって合成されたとする説が現在は有力

体内の元素ランキング

・ 水素、炭素、窒素、酸素、カルシウム5つの元素だけで体の97.5%ほどを占めている

1、酸素(O)     65.0%

2、炭素(C)     18.0%

3、水素(H)     10.0%

4、窒素(N)     3.0%

5、カルシウム(Ca) 1.5%

地殻の元素ランキング

1、酸素(O)       49.5%

2、ケイ素(Si)     25.8%

3、アルミニウム(Al)  7.56%

4、鉄(Fe)       4.70%

5、カルシウム(Ca)   3.39%

地球の大気(空気)元素ランキング

1、窒素(N

2、酸素(O

3、アルゴン(Ar)

4、二酸化炭素(CO

5、ネオン(Ne)

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