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フグの雑学|毒の正体は?/養殖フグには毒がない?

投稿日:2016年3月22日 更新日:

 

今回は『フグの雑学|毒の正体は?/養殖フグには毒がない?』として、

1、フグの猛毒の正体(トラフグとテトロドトキシン)

2、無毒なフグの作り方

3、その他フグの雑学

の3本立てでお送りいたします。

フライング雑学として、フグ自体は毒をつくっていません

Fugu-poison

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フグの雑学|毒の正体は?/養殖フグには毒がない?

フグ猛毒の正体|トラフグとテトロドトキシン

フグの毒は「テトロドトキシン」という低分子の神経毒です。

この「テトロドトキシン」は自然界でもトップクラスの猛毒で、およそ2mgあれば致死量に達します。

2mgと言われてもピンと来ないかもしれませんが、スプーン1一杯(2g)で1,000人殺せると考えればわかりやすいでしょうか。

この毒をもつのは最高級フグとして有名な「トラフグ」などの一部だけで、同じフグ科でも「ハリセンボン」や「カワハギ」はもちません。

一度テトロドトキシンを体内に入れてしまうと、麻痺や呼吸困難を引き起こします

これは、テトロドトキシンの成分が神経の伝達(ナトリウムイオンの出入り)を阻害することに起因します。

現在でも有効な解毒薬は臨床段階にないため、呼吸器を付けるなどしてただただ毒が去るのを待つしかありません

 

さて、肝心の「毒の正体」についてもっと迫っていきましょう。

冒頭でも述べましたが、フグ自体は毒を生成できません

テトロドトキシンをもつ生物を捕食することで、体内に毒を保持しています

あまり実感がないかもしれませんが、比較的身近な生物の中にも微量のテトロドトキシンをもった生物は多くいます。

例えば、カリフォルニアイモリやカブトガニ、ヒョウモンダコなどです。

フグの場合は、毒をもつ貝やヒトデを捕食しています

この貝やヒトデも自ら毒を生成しているわけでななく、「毒を作った海洋細菌」を食べたプランクトンを食べて毒を保持しています

少しややこしいですが、「食物連鎖の過程で、テトロドトキシンが委譲されていった」ということです。

 

フグの毒の原因が食事だとすると、無毒なフグが人工的に作れるような気がしませんか?

続いては、「無毒なフグの作り方」です。

 

無毒なフグの作り方|養殖フグの肝は食べられる?

フグを無毒に育てるのは極めて簡単です。

毒をもたないエサだけを食べさせてやればよいだけです。

実際に一部の養殖場では実施していて、エサの管理さえ徹底すれば、美味と噂の肝さえ無毒になるそうです。

現時点では基本的に”肝” は規制対象なので食べることはできませんが、肝だけは一度食べてみたいものですよね。

ちなみに、「養殖」と記載されているフグでも毒の管理を行っていない場合がほとんどなので、

いくら食べたくても「肝」に手を出してはいけません。

 

🐡 フグの基本情報

項目 内容
分類 フグ目フグ科(※トラフグなど)
生息地 日本近海、東シナ海など
代表種 トラフグ(高級食材)、マフグ、ヒガンフグなど
冬(特に12月〜2月が美味)
主に肝臓・卵巣・皮・腸にテトロドトキシン(猛毒)

🍽 フグ料理の種類

フグは繊細で上品な味わいがあり、以下のような料理で楽しまれます。

料理名 説明
てっさ(ふぐ刺し) 薄く切ったフグの刺身。ポン酢やもみじおろしで食べる。
てっちり(ふぐ鍋) フグの身を鍋にして、野菜と一緒に煮る。
からあげ 下味をつけてカラッと揚げたもの。ジューシーで人気。
白子焼き・白子ポン酢 トラフグの精巣(白子)。とろけるような食感で珍味。
ひれ酒 フグのヒレを炙って熱燗に入れた香り高いお酒。

※「てっさ」や「てっちり」の「てつ」は、「鉄砲」の「鉄」から来ており、「当たれば死ぬ(毒がある)」という意味の隠語です。

📍 フグ料理の名所

  • 山口県下関市(しものせき)

    • 日本一のフグ取扱量。フグを「ふく(福)」と呼び、縁起の良い魚として親しまれています。

  • 大阪・福岡

    • 老舗のフグ料理店が多く、都市圏でも高級料理として有名。


💰 フグの値段

  • 特に天然のトラフグは高価で、1匹数万円以上することも。

  • 養殖フグも増えており、以前よりは手頃な価格で楽しめるように。


🇯🇵 豆知識

  • 日本以外ではあまり一般的に食べられません。韓国や中国の一部地域では食文化がありますが、欧米ではほとんど食べられないか、法律で禁止されている国もあります。

  • フグによる食中毒事故も毎年少数ながら発生しています(多くは無免許での調理)。

以上、「フグの雑学ー毒の正体は?/養殖フグには毒がない?」でした!

最後までお読みいただき、ありがとうございました<(_ _)>

 

「フグの雑学ー毒の正体は?/養殖フグには毒がない?」まとめ

フグの猛毒の正体

・ フグの毒はエサに由来する

・ その毒をもつエサ自体も、食物連鎖の過程で毒を獲得している

・ フグの毒はテトロドトキシンという神経毒

・ テトロドトキシンは、スプーン1一杯(2g)で1,000人殺せる猛毒

・ テトロドトキシンをもつのは、トラフグなどの一部のフグ科だけ

・ テトロドトキシンの成分が神経の伝達を阻害する

無毒なフグの作り方

・ 毒をもたないエサだけを食べさせる(毒の管理を徹底した養殖)

・ 将来的には、珍味とされるフグ肝をたべられるようになるかもしれない

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