今回は『魚類の雑学』として、
サメにペニス(クラスパー)が2つあるのはなぜ?
という疑問に、”わかりやすく・簡単に” 答えていきます。
サメにペニス(ちんちん)が2つあるのはなぜ?
サメにペニス(ちんちん)が2つあるのはなぜ?
さっそく『サメにペニスが2つあるのはなぜ?』の答えから!
「サメにペニスが2つある理由」は、ずばり
サメのペニスは【腹びれ】が進化したものだから
で、
左右に1つずつある【腹びれ】が、成長するにしたがって【ペニス】にそのまま変化していくため【ペニス】も2つある
わけです。
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ちなみに、オス鮫のペニス同様に、
メス鮫の子宮も2つあり、それぞれで子孫を残す能力がある
のですが、生物学を専攻したことのある人なら
2つあってもムダにエネルギーを消費するだけなのに、どうして退化しないまま2つも生殖器が残ったままなの?
と疑問に思うかもしれません。(なお、オス鮫のペニスに限っては交尾では1本だけ使用し、もう1本はなくても大きな影響はありません)
「サメに生殖器が2つある理由」は諸説ありますが、最も広く支持されているのは
【生殖器を2つ成長させるコスト】よりも【交尾を失敗しないリスク管理】の方が生存競争に有利だったから
という説です。
一般に、魚類(硬骨魚類)の多くは
メス ⇒ 小さな卵を大量に水中に散布(放卵)
オス ⇒ 卵にむかって精子を水中にばらまき授精(放精)
させるという
「大量産卵」「大量授精」を基軸とする【体外受精】
によって子孫を残します。
一方、サメなどの軟骨魚類の半数以上は
哺乳類と同じように、お腹の中で【胎生】によって繁殖する「少数授精」
の形式をとっています。
そのため、胎生による少数精鋭子孫では、
1度の交尾失敗リスクが極めて高い
ため、
生殖器を2つ維持するという余分な成育コストを払ってでも、繁殖リスクを回避する方が子孫繁栄には効果的だった
のではないかと考えられています。
また、あまり知られていないことですが
サメの交尾は非常に激しい行為を伴う
ケースが多く、
オス鮫はメス鮫の体に強くかみつき、体を固定するために岩に押し付けるという強引な交尾が多く観察されている
ほどで、
交尾後にはメスの体がボロボロで血だらけになっているケースも多々報告
されています。
逆に、
オス鮫の方がメス鮫よりも非力であれば、メス鮫がオス鮫を噛み殺す・叩き殺す
こともあります。
そんな命がけの交尾で、しかも広い大海原で繁殖期にオスとメスがめぐり合う機会も限られているため、数少ないチャンスをできるだけ失敗しないようにサメには生殖器が2つ残ったまま今日まで維持されているのかもしれません。
以上、『サメにペニスが2つあるのはなぜ?』について簡単にまとめました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました<(_ _)>
『サメにペニス(ちんちん)が2つあるのはなぜ?』まとめ
サメにペニスが2つある理由 ⇒ サメのペニスは左右に1つずつある腹びれが進化したもので、生殖器を1つに集約するよりも2つ維持していた方が生存競争に有利だったから