遺伝学

形質転換とは?|方法・原理をわかりやすく3分解説!

投稿日:2018年9月20日 更新日:

 

今回は『遺伝子操作の基本』として

1、形質転換とは?

2、方法・原理は?

の2つを中心に、”簡単に・わかりやすく” まとめていきます。

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形質転換とは?|方法・原理を簡単に・わかりやすく!

形質転換とは?/方法・原理は?

 

形質転換とは?

 

まず「形質転換」とは

細胞にDNAを導入すること

です。

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形質転換を利用することで

特定のDNAを大量生産することが可能(遺伝子のクローニング)

となり、現在でも

遺伝子操作するうえで欠かせない手法

になっています。

 

「形質転換の方法」は慣れれば大して難しくはない(適当にやると失敗しますが)、今回は最も代表的な

大腸菌の形質転換の原理

を例として取り上げます。

 

形質転換の方法・原理

大腸菌の形質転換は以下の2ステップ!

形質転換の方法・原理(大腸菌)

① 前処理

② DNA導入

 

① 前処理

当然のことですが

 大腸菌は本来、そのままの状態ではDNAを取り込まない

ため

前処理をしてDNAを受け入れる細胞(コンピテントセル)に変える

必要があります。

 

具体的な方法は

1、大腸菌をプレートに広げ、1日培養(コロニーをつくらせる;37℃が理想)

2、単一のコロニーを1mℓのSOB培養液に入れ、一晩待つ

3、5ℓフラスコに250mℓのSOB培地を入れ、「2」の中身をすべて移す

4、シェーカーで混ぜ(200rpm以上)、18℃で20~50時間培養

5、培養液が濁ったら氷で10分冷やす

6、その後、培養液を遠心管に移し15分遠心(4℃が理想)

7、沈殿物を20mℓのTBに入れ混ぜ、DMSOを加えた後10分冷やす

8、あとは1.5mℓチューブに移し、液体窒素で急速冷凍

以上で、DNAを取り込むようになった「コンピテントセル」の完成

 

② DNA導入

コンピテントセルさえできてしまえば、DNAを導入するのは簡単です。

 

方法は、

1、コンピテントセルを氷水に入れ、ゆっくり溶かす

2、必要な分だけ1.5mℓチューブに移す(~50μℓ)

3、導入したいDNAを加える(~20μℓ)

4、氷で30分冷やしたのち、42℃のヒートブロックで30秒 ⇒ すぐに氷に戻し2分冷却

5、あとは寒天培地に移し、一晩培養(37℃が理想)

 

以上で、「目的のDNAが導入された大腸菌」が大量生産できます。

 

文字にすると面倒そうに感じますが、すぐに慣れて方法自体は簡単に感じると思います(ぼーっとして失敗することは多々ありますが…笑)。

「形質転換」についてざっくりと説明しましたが、一般知識としてはこんなもので十分でしょうか。

現在ではめちゃくちゃ効率的に培養できる試薬が開発されてきているので、近い将来には今回説明したような手順の多い培養方法はなくなる可能性が高いでしょう。

新たな形質転換の方法が確立したらまた記事を更新しようと思います(需要があるかは疑問ですが…)。

 

以上、『形質転換とは?|方法・原理を簡単に・わかりやすく!』でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました<(_ _)>

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