今回は『遺伝子の雑学』として、
紫外線で殺菌できるのはなぜ?
という疑問に、”わかりやすく・簡単に” 答えていきます。
紫外線で殺菌できるのはなぜ?
紫外線で殺菌できるのはなぜ?
さっそく『紫外線で殺菌できるのはなぜ?』の答えから!
「紫外線で殺菌できる理由」は、ずばり
遺伝子にダメージを与えて、細胞が成長&増殖する能力を壊すから
です。
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遺伝子には
【DNA】【RNA】という生命情報を担っている【核酸(かくさん)】という【タンパク質】
が含まれていますが、核酸には
有害な【紫外線を吸収】する働き
があります。
とくに
265nm付近の波長を吸収しやすい
ため、
細胞に紫外線を集中的に当てる
ことで
遺伝子にターゲットを絞って攻撃
することができます。
具体的には、紫外線照射によって
核酸の遺伝配列を変質させる(化学反応によりコード改変)
ことで、細胞の
代謝(エネルギーの生成)
増殖(遺伝子のコピー)
を阻害しているわけです。
遺伝子の基本的な構造は
すべての菌類でほとんど変わらない
ため、紫外線照射は
ほぼ例外なくすべての菌に有効
です。
加えて、
遺伝構造・細胞構造は進化によって変化しづらい(生命の仕組みが変わることになるので、基本的に生きていけず繁殖不能)
ため、紫外線による殺菌は
抵抗性(耐性)をもたれることはない
と考えられます。
また、
殺菌作業が簡単
すぐに作業が終わる
というメリットもあり、現在では
食品の殺菌
水の殺菌
医療行為全般の殺菌
に広く使われています。
日本では
飲料水やプールの殺菌は【塩素】のまま
ですが、近い将来には紫外線が利用されていくかもしれません。
ただし、「紫外線殺菌のデメリット」として
照射機材に環境に悪いものが多い(水銀ランプなど)
紫外線を照射した対象だけしか殺菌できない(例えばプールの殺菌の場合、塩素消毒であれば後から加わった水・空気などに含まれる菌にも殺菌効果が及ぶが、紫外線だと照射した水だけにしか効果がなく次第に菌は増えていく)
人体にも紫外線は有害(取り扱い注意!)
という点も挙げられるため、デメリットを踏まえたうえで適切に活用していく必要があります。
以上、『紫外線で殺菌できるのはなぜ?』について簡単にまとめました。
お読みいただきありがとうございました<(_ _)>
『紫外線で殺菌できるのはなぜ?』まとめ
紫外線で殺菌できる理由 ⇒ 遺伝子を壊し、細胞の代謝・増殖を阻害することで菌を殺している