今回は『植物の雑学』として、
1、樹液が出るのはなぜ?
2、どうして甘いの?
という疑問に、”わかりやすく・簡単に” 答えていきます。
樹液はなぜ出て、なぜ甘い?
樹液はなぜ出て、なぜ甘い?
さっそく『樹液はなぜ出て、なぜ甘い?』の答えから!
「樹液が出る理由」は、ずばり
で、クヌギやコナラなどの「樹液が甘い理由」は
樹液に栄養たっぷりの液体【篩管液:しかんえき】が混ざっていて、【ショ糖】や【アミノ酸(グルタミンなど)】といった甘さのもと(栄養素)が高濃度に含まれているから
です。
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もうちょっとだけ詳しく説明 ↓
植物には
【維管束(いかんそく)】という水&栄養を運ぶ管
が通っていて、ざっくりと
【根っこ】から水・ミネラルなどを【葉っぱ】に移動させる ⇒ 導管(どうかん)
【葉っぱ】から光合成によって作った栄養を【体全体】に移動させる ⇒ 篩管(しかん)
の2つに分けられます。
このうち、
【篩管】の液体は果実を作ったり、体を大きくしたり、生命活動を維持するために【栄養がたっぷり】
と含まれています。(身近な樹液として、メープルのもとになるカエデが分かりやすいですかね。甘くて栄養豊富!)
そんな栄養たっぷりの樹液を求めて、
子どもに安全かつ栄養豊富な木の中で暮らさせてあげよう!
という親心から、
【シロスジカミキリ】や【ボクトウガ・コウモリガ】などの昆虫が木の中に卵を産み付け
ます。
樹液が出るまでの大まかな流れとしては、
スッテプ1:【木の樹皮が台風や動物によって傷つけられる】or【カミキリムシなど強力な武器をもつ昆虫が穴をあける】
スッテプ2:【カミキリムシ】【ガ】など『”幼虫期”のアゴの力がとんでもなく強い昆虫』が木の穴に卵を産み付ける
スッテプ3:【幼虫】が木の内部を食べ、【樹液(篩管液)】もたっぷり吸いながら成長
スッテプ4:【樹液(篩管液)】がゆっくりと外に染み出てくる
という現象が一般的です。
なお、こうした樹木で幼生を過ごす昆虫には肉食性の種が多数いて、例えばボクトウガの幼虫は樹液に集まってきた昆虫をがっつり捕食して食べることもあるのだから…おそろしいものです笑。
ここまで話すと「ボクトウガって安全な木の中で生活して、しかも昆虫すら食べられる大きくて強力なアゴをもっているなんて…最強じゃない?」と感じてしまうかもしれませんが、実際には外は敵だらけです。
大きなアゴがあったところで、見つかれば小鳥にすら抵抗できずに捕食され、カマキリやムカデに立ち向かうほど器用に動けず、甘い樹液が出る木は限られているので生息域を拡大して繫殖することも難しい…など、種として大成功しているとは言い難いでしょう。
木にとっては大迷惑な樹液漏出ですが、ワンパク小僧にとっては大歓喜の樹液…、、、小学生時代を思い出します。。。
ちなみに、クヌギの樹液は甘い匂いがしたので舐めたことがあるのですが、全然甘くありませんでした。
単純に水分が多くてミネラルなどの不純物が多かったせいだと思いますが、少なくてもクヌギの樹液に毒性はないので、気になる人はぜひ自分で試してみてください。
一応、糖類はいろいろな微生物が集まってきてすぐに発酵していくので、匂いにアルコール臭が強いならやめておいた方がいいかもしれません。
以上、『樹液はなぜ出て、なぜ甘い?』について簡単にまとめました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました<(_ _)>
『樹液はなぜ出て、なぜ甘い?』まとめ
樹液が出る理由 ⇒ 木の中が食べられることで、維管束の液体が外に出てしまったから
樹液が甘い理由 ⇒ 篩管液にショ糖などの甘味成分が多量に含まれているから