久しぶりの『雑学』&『物理』ものです。
今回は『直流と交流の違い/なぜ東西で周波数(Hz:ヘルツ)は違う?変換装置って?』と題して、
「直流(DC)と交流(AC)の違いーそもそも直流・交流ってなに?」、「東西で周波数(Hz)が違う理由」、
「直流と交流の変換装置」の3つをご紹介したいと思います。
電気自体は私たちの生活に身近なものですが、
電気の原理や性質はほとんど知られていないように思います。
「話のタネ」としてうってつけだと思うので、
中学理科を完全に忘れてしまった方にもわかりやすいよう ”簡単簡潔” をモットーに書いていきます!
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直流と交流の違い|なぜ東西で周波数Hzは違う?/変換装置って?
『直流と交流の違い/なぜ東西で周波数(Hz)は違う?変換装置って?』まとめ
まずはお忙しい方向けに「直流と交流の違い/なぜ東西で周波数(Hz)は違う?変換装置って?」のまとめから。
直流 ⇒ 電気の大きさ・流れる向きが【変わらない】電流のこと
交流 ⇒ 電気の大きさ・流れる向きが【変わる】電流のこと
直流は多くの電化製品に、交流はエアコンなどに使われている
家庭のコンセントに流れている電流は ”交流”
交流の方が電気会社から家庭に送る際の電気ロスが少ない
ロスが少ない理由は、電圧の変化が簡単だから
東西で周波数(Hz)が違う理由 ⇒ 【発電機の種類】が違うから
東日本の発電機はドイツ(50Hz)からの輸入、西日本の発電機はアメリカ(60Hz)から輸入してしまった
コスト面から周波数(Hz)の統一は難しい
直流と交流の変換装置 ⇒ コンデンサーで電気の大きさを、ダイオードで電気の向きを一定にしている
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直流・交流の違い|そもそも直流・交流ってなに?
ここからは少し詳しく解説していきます。
まずは「直流(DC: Direct Current)」と「交流(AC:Alternate Current)」について復習しておきましょう!
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直流 ⇒ 電気の”大きさ” や "流れる向き" が(基本的に)変わらない電流のこと
電池や太陽光発電で作られる電気は「直流」です。
直流とは、文字通り ”まっすぐ” 流れる電流のことです。
直流の ”電気の流れる向きが変わらない” というのは現代社会にとって非常に重要で、
例えば、パソコンやテレビなどに流す電気が変化すると故障の原因になってしまいます。
※ 現在は「交流」対応の半導体もありますが、家電製品の大半は直流を採用しています(2019年3月現在)
この後に説明しますが、日本の送電システムでは「交流」の電気を家庭に届けているので、
パソコンなどに電気を流すときには、わざわざ「交流を直流に変換」させています。
交流 ⇒ 電気の”大きさ” や "流れる向き" が(周期的に)変わる電流のこと
交流は直流とは正反対で、「電気の大きさ・向きが変わる」電流のことです。
家庭のコンセントから流れているのは「交流」のほうです。
家庭用コンセントの電気が ”交流” な理由はいたって簡単で、
「交流の方が発電所から家庭に送りやすいから」です!
…理由になっていない?
正確に説明するには送電線の原理についても解説しないといけなくて面倒なので、
言葉だけですごーく簡単に「家庭のコンセントから交流が流れる理由」について説明すると、
・ 発電所から家庭までチンタラ電気を送っていたら、途中で電気が逃げてしまう
⇒ だから、強い力で一気に電気を送ってしまいたい(高電圧が必要)
⇒ 直流だと強い力で送る(電圧を上げる)のが難しい
(※ 直流は電気の大きさが一定なので、電力を保ちながら電圧を変えにくい:電力[V]×電流[A]=電力[W])
⇒ 交流なら簡単に電圧を変えられる(電磁石の原理)
⇒ 家庭には交流の電気を送って、直流が必要なら家庭で直流に返還して変えてくれ!
というような感じです。
実際には家庭に届ける直前に「直流」に変換してもいいのですが、
エアコンなど一部の機械は交流を使っているので、そのままコンセントに交流を流している感じでしょう。
以上が「直流(DC)と交流(AC)の違い」の簡単な説明です。
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これだけだと「話のタネ」としてはイマイチなので、ちょっと補足を。
蛍光灯のなかには「交流」を使っているものがあるのですが、
先ほど説明したように、交流は電気の向きが変わります。
つまり、一瞬「電流が0になる」のです。
ということは、電力[V]×電流[A]=電力[W]なので、電流も0になる…
そう、蛍光灯に電気が流れなくなる瞬間があるんです。
東日本の場合、周波数(Hz)は50なので、1秒間にちょうど100回電気が0になる計算になります。
すごい短い間隔なのでほとんど気になりませんが、確かに蛍光灯は100回暗くなっているはずです。
雑学としては、まぁ…及第点をいただけるでしょうか?
さて、続いては「東西で周波数(Hz)が違う理由」です。
直流(DC)と交流(AC)の違い ⇒ 電気の大きさ、流れる向きが変わるかどうか
東西で周波数(Hz)が違う理由
東日本では周波数は50Hz、西日本では周波数は60Hzです。
東西で周波数(Hz)が違う理由はめちゃくちゃ簡単です。
ずばり、西日本と東日本の発電機が違うから!
なんじゃそりゃとお思いかもしれませんが、ただただ発電機の種類が違う事だけが理由ですw
東日本の発電機はドイツからの輸入したのですが、これが50Hzの電気を生み出すやつで、
西日本のはアメリカから輸入した60Hzの発電機だったという喜劇です。
日本の周波数を統一するには、どっちか片方の発電機だけを採用すればいいのですが、
今や50Hz、60Hz専用の機器が多数あるため、コスト面でなかなか踏み切れないわけです。
私たちがよく使っている電子レンジや冷蔵庫などの家電製品においても、
最近のものは50Hzでも60Hzでも問題ありませんが、1昔前の製品では周波数が変わると故障の原因になります。
だから昔はよく「引越しのときは家電製品を取り換えないと」などと言われていましたよね。
今ではほとんど心配いりませんが、一応 高価な電化製品は確認しておいた方がいいかもしれません。
以上が「東西で周波数(Hz)が違う理由」です。
それでは、最後の「直流と交流の変換装置」に移りましょう。
東西で周波数(Hz)が違う理由 ⇒ 発電機の種類が違うから
直流と交流の変換装置
最後は「直流(DC)と交流(AC)の変換装置」について簡単に説明します。
ノートパソコンやゲームをお持ちの方なら、
「ACアダプター」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?
この ”AC” というのは ”交流” のことで、
「AC(交流)を直流にアダプト(適合)させる」から ACアダプター という名前なのです。
ACアダプターこそが「直流と交流の変換装置」で、仕組みはけっこうシンプルです。
高校物理でも習ったような記憶があるのですが、
変換で重要なのは「コンデンサー」と「ダイオード」の2つです。
コンデンサー ⇒ 電気を蓄え、放出する装置
ダイオード ⇒ 一定方向にしか電気を流さない装置
「直流と交流の違い」で説明したことの復習になりますが、
交流は「電気の大きさ・向き」が変化するのに対して、
直流は変化しませんでしたよね。
つまり、コンセントの交流を直流に変えるのは、
① 電気の大きさを一定にする
② 電気の向きを一方向にする
の2つが必要です。
もうお分りでしょう。
コンデンサーで「① 電気の大きさを一定」にし、
ダイオードで「② 電気の向きを一方向」にしているだけです。
コンセントの穴が2つある理由は、電流が直流になるため、
行った電気が返ってくる道筋を残すためです。
まぁ…今となってはコンセントの穴が1つでも問題ないのですが…その辺の話はまた別の機会に。
直流と交流の変換装置 ⇒ コンデンサーで電気の大きさを、ダイオードで電気の向きを一定にしている
以上、『直流と交流の違い/なぜ東西で周波数(Hz:ヘルツ)は違う?変換装置って?』でした!
最後までお読みいただき、ありがとうございました<(_ _)>
最近、これまで書いていた記事が検索上位にランクインするようになってうれしい限りです。
物理や化学は昔から好きだったので、簡単に記事をかけるのですが、
大学院まで専門としていたはずの統計学がなかなか記事にならない今日この頃です。。。