今回は『気象・物理の雑学』として、
コリオリ力とは?
という疑問に、”わかりやすく・簡単に” 答えていきます。
コリオリ力とは?
コリオリ力とは?
さっそく『コリオリ力とは?』の答えから!
「コリオリ力とは?」は、ずばり
ぐるぐる回っている物体の上では、進んでいる方向の横向きに力が加わるぞ!
ということです(横向きの力が【コリオリ力】)。
スポンサーリンク
わかりやすく、
観覧車
を例に考えてみましょう!
大きな観覧車の
一番上(てっぺん)にいる人
が
一番下にいる人
に向かって
リンゴを落とす
場合をイメージしてください。
リンゴが一番上から一番下に落ちてくるまでに
数秒かかる
わけですが、そのあいだも
観覧車は動き続けている
ため、リンゴは
一番下にいる人よりちょっと右側に落下
してしまい、リンゴを
受け取ることができない
はずです。
なにをあたりまえなことを…!( `ー´)ノ
と思うかもしれませんが、
下にいる人にとっては不思議な現象
に感じるケースが存在します。
観覧車くらいのスケールだと
乗っている人は ”自分が動いていることを認識”
していますが、これが
地球の場合ではどう
でしょうか?
私たちは、自分が
ものすごい速さで地球と一緒に動いているとは感じていない
赤道上では時速1700kmの自転速度;動いていると感じないのは周りの空気も一緒に動いているから
ため、観覧車のケースに話を戻すと
一番下にいる人は ”自分が動いていることを認識していない状態”
になります。
すると、下にいる人から見ると
リンゴがかってに右側にそれていった
ように見えるため、
上の人は真っすぐじゃなく、変な方向に力を加えて投げたな、あんにゃろー!
と感じるわけです。
つまり、下にいる観測者からすると
リンゴには右向きの力が加わっているように見え
、この
見かけ上の横向きの力こそが【コリオリ力】
なのです。
コリオリ力の大きさは【物体の移動速度】と【回転速度(角速度)】の積に比例します(観覧車の場合だと、中の人と観覧車がどれだけ速く動いているか)
では、もう少し実践的に「コリオリ力」が重要な意味を持つ
気象学の【風】
のケースで簡単に考えてみましょう。
北や南に移動する風には
コリオリ力が働く
ため、
風が西向きや東向きに方向を変える
ことがあり、これが
偏西風(【西】→【東】に吹く風)
貿易風(【東】→【西】に吹く風)
という2つの有名な風の原因です。
では、なぜ
キャッチボールをするときにはコリオリ力は感じない(ボールはまっすぐ飛んでいく)
のに、
風にはコリオリ力が働く(風は大きく曲がる)
のでしょうか?
その理由は、ざっくりといえば
移動のスケールが違うから
で、
キャッチ―ボールでは地球と一緒にボールも動く(ボールは短い距離を移動するため)
のですが
風は地球の自転とは連動しないから(自転の慣性力を超えて南北に移動するから)
です。
具体的には、地球が
1回転するのにかかる時間はどこでも24時間
なので、
赤道ではすごい速さで移動しなければならない
のに対して、
北極や南極ではのんびり移動してもすぐ1回転
できます(北極点・南極点ではじっとしているだけで自転が終わりますよね)。
つまり、地上から全然動かない私たち日本人からみると、
赤道の風は自転の速度と同じような速さで回転したまま日本まで届く
ため、
自分がいる場所の回転速度より赤道の風の回転速度の方が速く
見えます(見かけ上の慣性力の差)。
これが「風には大きなコリオリ力(という見かけ上の力)が加わっている」と感じる理由です。
…、またけっこう長くなってしまいました。
本当はもっと詳しく大気循環メカニズムまで説明した方がいいのでしょうが、以前の記事で何度も書いてきているうえ、コリオリ力だけを説明する分には不要なので今回はこの程度にとどめておきます。
覚えるべきことは
回転している物体には進行方向の垂直に加わる【コリオリ力】がある
という点です(それとコリオリ力は北半球では進行方向の右側、南半球では左側に力が働きます;実際に北極から南極にボールを投げる様子をイメージすれば感覚的に理解できると思いますが(自転は西→東向きを忘れずに)、一般常識として暗記だけしておけば十分でしょう;下画像は北海道大学のHPより引用していて、コリオリ力の向きについてわかりやすく説明してくれていますので気になる方は要チェック! ⇒ http://wwwoa.ees.hokudai.ac.jp/~f-hasebe/Coriolis.html)。
以上、『コリオリ力とは?』について簡単にまとめました。
お読みいただきありがとうございました<(_ _)>
『コリオリ力とは?』まとめ
コリオリ力とは? ⇒ 回転している物体に働く、進行方向の垂直に加わる見かけ上の力のこと;偏西風・貿易風の原因になっており、北半球では進行方向の右側、南半球では左側にコリオリ力が働く