「おしっこ(尿)」は誰しもがよく知っているようで、実は知らないことに満ちている現象です。
例えば尿にアンモニアがまったく含まれていないことをご存じでしょうか?
今回は『尿ー頻尿・尿漏れの原因は?尿はなぜ臭い?』として、
知っているとちょっとだけ得をする「尿」の雑学をご紹介したいと思います。
また、多くの方が経験するであろう「頻尿」と「尿漏れ」の原因および対策についても解説していきます。
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尿|頻尿・尿漏れの原因は?尿はなぜ臭い?
頻尿・膀胱炎の原因は?
まずは「頻尿」と「膀胱炎」の原因について説明します。
「尿」とは、「腎臓がろ過しきれなかった血液の不要成分」のことです。
腎臓で作られた尿は、尿管を通って膀胱(ぼうこう)にたまります。
膀胱は伸縮自在で、最大で500ml程度まで尿をためることができます。
だからといって、溜めすぎてはいけません。
長時間ためた尿は細菌が繁殖しやすくなり、「膀胱炎」を引き起こすことがあります。
加えて、膨張時には膀胱の壁はわずか3mmにまで薄くなるため、強い力が加われば破裂する可能性もあります。
とはいっても、通常は500mlまで溜め込むことはまずありません。
その前に、膀胱が脳の「排尿中枢」という場所へ信号を出して、私たちに「尿意」を感じさせてくれます。
この「尿意」の感じ方が「すぐにトイレに行きたくなるヒト=トイレが近いヒト」につながります。
では、「トイレが近いヒト」は膀胱が小さいために頻繁にトイレに通わなければならないのでしょうか?
より詳しく、尿意・頻尿の原因について説明していきましょう。
尿意と頻尿の原因|トイレの近さは膀胱の小ささ?
頻尿の原因は膀胱の小ささだと考えている方を多く見かけますが、実はほとんどの場合は違います。
確かに膀胱の小さい方もおられますが、大部分の方は平均的な膀胱のサイズをしています。
通常は400mlは溜められるのに、150ml程度で「尿意」を感じているためです。
つまり、膀胱のセンサーがおかしくなっているために、「今すぐトイレに行きたい」と脳が誤認してしまうのです。
この原因は科学的に完全に解明されたわけではありませんが、頻繁にトイレに行く経験が大きく関係していると考えられます。
例えば、よくコーヒーを飲む方は、トイレの感覚が短いと思います。
これは単にコーヒーに含まれる微量のカフェインに起因する利尿作用に過ぎないのですが、
カフェインが体内から抜けてもなおトイレにすぐに行きたくなるという経験はないでしょうか?
あるいは、会社などで1時間おきにトイレに行っていたら、休日もトイレが近い…などです。
これは、尿の頻度と膀胱のセンサーがある程度リンクしているためだと考えられます。
つまり、「まだ溜められるけれど、この程度でも尿意を感じさせた方が良いな」と膀胱が判断しているわけです。
そのため、最初の軽い尿意を我慢していれば徐々にトイレの感覚が長くなってくる可能性はあります。
しかし、最初に述べたように「膀胱炎」などのリスクがあるため、
生活に支障がないようなら少しの「トイレの近さ」は許容しても問題ないでしょう。
逆に、生活に支障があるレベル(1時間に1回が目安)であれば種々の病気を疑う必要があります。
続いては「頻尿の対策」を説明します。
頻尿・尿漏れ|3つの原因と対策
尿意の感覚が1時間おきにやってくるほどの頻尿の場合、膀胱の病気である可能性があります。
ただし、病気といっても深刻なものではなく、下記のようにまとめられます。
① 過活動膀胱
膀胱の筋肉(排尿筋)が収縮することで、尿意を感じる疾患。
尿漏れの原因ともなる。
② 前立腺肥大(男性のみ)
前立腺が尿道を圧迫することで残尿感が生じ、尿意を感じる疾患。
尿漏れの原因ともなり、前立腺の緊張をほぐす必要がある。
③ 骨盤底筋のゆるみ(女性のみ)
骨盤底筋がゆるむことで、尿道の開閉がスムーズにいかず、尿漏れを回避するために尿意を生じさせる疾患。
尿漏れの原因ともなり、骨盤底筋を鍛えるか、サプリ摂取などの対処が必要。
以上の3つが頻尿の原因となる代表的な疾患です。
同時にいずれも尿漏れの代表的な原因でもあります。
これらの疾患は病院の泌尿器科で相談すれば、専用の薬を処方してもらえますが、基本的には市販のサプリでも十分に効果があります。
頻尿対策のサプリとしては、ノコギリヤシやぺポカボチャが特に有効だと考えられています。
まずはサプリで効果を試し、ダメな場合は泌尿器科へ相談に行かれることをお勧めします。
さて、最後に「尿の雑学」にもどって「尿の成分」についてお話しします。
尿がくさい原因はどこにあるのでしょうか?
尿の成分|なぜくさい?
尿のおよそ98%は水で、2%が尿、他にホルモンやビタミン、黄色い色素(ウロビリン)がごく微量含まれています。
実はアンモニアは含まれおらず、これらの成分自体はほとんどにおいません。
少なくとも「臭い」と感じることはないはずです。
なんとなく「尿素」がすごい臭そうですが、意外なことに無味無臭です。
では、一体何が臭うのか?
臭いの原因は、排出された尿素を細菌が分解することで生じる「アンモニア」です。
つまり「膀胱にある尿は臭わないけど、外で細菌に触れると臭くなる」ということですね。
以上、『尿ー頻尿・尿漏れの原因は?尿はなぜ臭い?』でした!
少しでも ”タメになった” という方がいてくだされば、今後も雑学シリーズも継続していきたいと思います。
「尿ー頻尿・尿漏れ 3つの原因と対策;尿の匂いの原因」まとめ
尿の雑学、頻尿・尿漏れの原因と対策
1、尿は腎臓がろ過しきれなかった血液の不要成分
2、長時間ためた尿は細菌が繁殖しやすくなり、膀胱炎を引き起こす可能性がある
3、膨張時には膀胱の壁はわずか3mmにまで薄くなるため、強い力が加われば破裂する可能性がある
4、膀胱が脳へ信号を出して、尿意をもたらす
5、膀胱が早めに信号を出すために「トイレが近いヒト」が生まれる
6、トイレに行く頻度と膀胱の尿意信号はある程度リンクしている可能性がある
7、頻尿、尿漏れの原因は3つあるが、いずれも深刻度は低いためサプリなどでの対策も可能
8、尿の成分自体はほとんど臭わない
9、においの原因は、尿素が細菌によって分解され生じたアンモニア