科学の雑学Q&A 遺伝学

お酒の強さ(アルコール代謝能)は遺伝が原因?対策できる?|疑問を2分で!

投稿日:2019年8月10日 更新日:

 

今回は『アルコールの雑学』として、

1、お酒の強さ(アルコール代謝能)は遺伝が原因?

2、飲み続ければお酒に強くなる?(対策)

という疑問に、”わかりやすく・簡単に” 答えていきます。

alcohol-genetics-What

お酒の強さ(アルコール代謝能)は遺伝が原因?対策できる?

お酒の強さ(アルコール代謝能)は遺伝が原因?対策できる?

 

さっそく『お酒の強さ(アルコール代謝能)は遺伝が原因?対策できる?』の答えから!

 

お酒の強さ(アルコール代謝能)は遺伝が原因かどうか」については、ずばり

【お酒に強い・弱い】はほとんどすべて【遺伝】で決まっている(遺伝が原因!)

で、「飲み続ければお酒に強くなるかどうか(対策)」については

【アルコール代謝能】は〜2割ほど改善されるが、症状の大幅な改善には期待はできな

と考えられます。

スポンサーリンク

ad



 

ヒトがアルコールを分解するまでのメカニズム」は

① 【お酒】を飲む

② 【アルコール】が【胃】&【小腸】から【吸収】される(~2時間ほど)

③ 【血管】を通して【肝臓】に運ばれる(肝臓でアルコールを分解!)

④ 【アルコール脱水素酵素】によって【アルコール】が【アセトアルデヒド】に分解される(← アセトアルデヒドが有毒で、”酔い” の原因!)

⑤ 【2型アルデヒド脱水素酵素(AKDH2)】によって【アセトアルデヒド】が【酢酸】に分解される(酢酸は無毒なので安心!)

という流れで、

”⑤” の【2型アルデヒド脱水素酵素(AKDH2)】の遺伝率が非常に高い(遺伝による影響が大きい)

ため、

【有毒なアセトアルデヒド】を【無毒な酢酸】に分解する能力に【遺伝的な個人差】がある
⇒ お酒の強さは遺伝が原因!

となるわけです。

 

ただ、注意してほしいのは

アルコールを分解できるのは【2型アルデヒド脱水素酵素(AKDH2)】だけではない

という点で、有名どころだと

【ミクロソームエタノール酸化系(MEOS)】のアルコール代謝能が高い

ことがよく知られています。

 

ミクロソームエタノール酸化系であれば

遺伝率が低く、習慣的な飲酒で活性化しやすい傾向にある

ため、

アルコール代謝能の改善に一定の効果(~2割程度)が期待できる

と考えられます。

 

ただし、頑張ってMEOSによる代謝を2割改善できたとしても全体としての影響はわずかで、せいぜいアルコールが回る速さを5~20分ほど遅らせることができる程度だと考えられます。

そのため、アルコールに弱い人(下戸さん)は自分の性質を理解したうえで余裕ある飲酒を心掛けた方が良いでしょう(アルコールに起因する死亡者数は年間300万人ほど)。

最近では簡単な遺伝子検査キットでアルコール代謝能を測定できるので、疾患リスクや肥満タイプと一緒に調べてみるとおもしろいかもしれません。

 国内シェアトップ ⇒ ジーンライフ

 

以上、『お酒の強さ(アルコール代謝能)は遺伝が原因?対策できる?』について簡単にまとめました。

お読みいただきありがとうございました<(_ _)>

『お酒の強さ(アルコール代謝能)は遺伝が原因?対策できる?』まとめ

 お酒の強さ(アルコール代謝能)は遺伝が原因? ⇒ 2型アルデヒド脱水素酵素(AKDH2)を中心とする遺伝が原因

 飲み続ければお酒に強くなる?(対策) ⇒ ミクロソームエタノール酸化系(MEOS)の活性化によって一定の対策はできるが十分な効果が見込めない可能性が高い

ad



ad



-科学の雑学Q&A, 遺伝学
-遺伝, 雑学

Copyright© 科学情報誌(HOME) , 2024 AllRights Reserved.