今回は「原子番号81,82,83,84,85」にあたる
タリウム(Tl)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、ポロニウム(Po)、アスタチン(At)の説明です。
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原子番号81,82,83,84,85|タリウム、鉛、ビスマス、ポロニウム、アスタチン/特徴・性質・名前の由来
原子番号81 タリウム(Tl)/特徴・性質・名前の由来
「原子番号81 タリウム(Thallium)」の名前の由来は、ギリシア語の「緑の小枝(Thallos)」です。
タリウムは比較的毒性が強いため、かつてはネズミの駆除によく使用されていました。
人体にも有毒なので、現在ではタリウムの駆除剤はあまり見かけませんね。
ただし、ごく微量であれば体への影響はほとんどないため、
タリウムの放射線同位体は心筋の診断剤として利用されています。
また、タリウムと水銀(Hg)の合金は水銀単体よりも融点が低くなるので、低温用の温度計に使用されています。
原子番号82 鉛(Pb)/特徴・性質・名前の由来
「原子番号82 鉛(Lead)」の名前の由来は、ラテン語の「鉛(Plumbum)」です。
鉛は白色の金属ですが、空気中で酸化すると鉛色になります。
鉛蓄電池や自動車のバッテリーとしての使用が有名ですね。
その他にもスズ(Sn)との合金が「はんだ」として非常に有用です。
また、二酸化ケイ素と酸化鉛を混ぜると「鉛ガラス」となり、放射線の遮蔽剤として有用です。
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原子番号83 ビスマス(Bi)/特徴・性質・名前の由来
「原子番号83 ビスマス(Bismuth)」の名前の由来は、ラテン語の「溶ける(Bisemutum)」です。
ビスマスは銀白色の金属で、結晶が非常にもろいという特徴があります。
ビスマスを含む酸化物は超電導ケーブルとして重宝されているのですが、
超電導ケーブルでは直流電流の場合、電気抵抗がゼロになり送電ロスがなくなるという大きなメリットがあります。
ケーブル自体が高価で大量生産が難しいということはありますが、
超電導ケーブルが普及すれば海外などの遠隔地で生産した電力をそのまま家庭に届けることが ”原理的には” 可能です。
電力の民営化よりもこちらの開発・普及を優先した方が、私たちの支出は減ると思うのですがなかなか話題に上がりませんよね…。
東京電力が実証実験は行っているので、遠くない未来に現在5%はロスしている電力分だけ利用料金が安くなるのかもしれません。
(東電の見込みでは2.5%のロスに抑えられるだけだと考えているようです)
原子番号84 ポロニウム(Po)/特徴・性質・名前の由来
「原子番号84 ポロニウム(Polonium)」の名前の由来は、中央ヨーロッパに位置する「ポーランド(Poland)」です。
1898年にキュリー夫妻が発見し、キュリー夫人の母国であるポーランドにちなんで名づけられました。
ポロニウムは毒性の強い金属で、電子力電池として利用されています。
その他にも、アルファ線源や中性子源に使われています。
原子番号85 アスタチン(At)/特徴・性質・名前の由来
「原子番号85 アスタチン(Astatine)」の名前の由来は、ギリシア語の「不安定な(Astatos)」です。
名前の由来の通り、アスタチンは非常に不安定な元素です。
半減期は8.1時間と短く、現在はまだ研究段階で、工業・商業的な利用はありません。
医学的に期待されている元素ではあり、細胞殺傷能力の高いアルファ線を放出するので、
がん細胞だけにアスタチンを届けさせる技術が確立すれば、がん治療に有効ではないかと考えられています。
以上、『原子番号81,82,83,84,85ータリウム(Tl)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、ポロニウム(Po)、アスタチン(At)/特徴・性質・名前の由来』でした!
最後までお読みいただき、ありがとうございました<(_ _)>
「原子番号81,82,83,84,85ータリウム(Tl)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、ポロニウム(Po)、アスタチン(At)/特徴・性質・名前の由来」まとめ
原子番号81 タリウム(Tl)/特徴・性質・名前の由来
・ 毒性が強いが、微量であれば体への影響はほとんどない
・ タリウムの放射線同位体は心筋の診断剤として利用されている
原子番号82 鉛(Pb)/特徴・性質・名前の由来
・ 空気中で酸化すると鉛色になる
・ 鉛蓄電池や自動車のバッテリーに使われている
・ スズ(Sn)との合金が「はんだ」で、二酸化ケイ素と酸化鉛を混ぜると「鉛ガラス」となる
原子番号83 ビスマス(Bi)/特徴・性質・名前の由来
・ 超電導ケーブルの材料として非常に重要
・ 超電導ケーブルは、直流電流の場合、電気抵抗がゼロになり送電ロスがなくなる
原子番号84 ポロニウム(Po)/特徴・性質・名前の由来
・ 1898年にキュリー夫妻が発見
・ 毒性の強い金属で、電子力電池として利用されている
原子番号85 アスタチン(At)/特徴・性質・名前の由来
・ 非常に不安定な元素
・ 細胞殺傷能力の高いアルファ線を放出することから、がんの治療に期待されている