周期表の一番右側、18族に位置する位置するのが「希ガス」です。
前回紹介した「アルカリ金属」とは正反対の位置ですね。
今回は『希ガスの性質・特徴と安定性の理由ーネオン、アルゴン、キセノン、クリプトン』として、
「希ガスの特徴」と「希ガスが安定な理由」を紹介します。
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希ガスの性質・特徴と安定性の理由/ネオン、アルゴン、キセノン、クリプトン
希ガスの性質・特徴
希ガスの最も大きな性質・特徴は、他の元素と反応しにくい、つまり安定した元素であるということです。
そのため「アルカリ金属」の場合では原子1個のままでガスとして存在することは困難でしたが、
希ガスであれば、その名の通り原子1個で存在し続けられます。
さらに、希ガスのもう1つの特徴に「分子間力が非常に小さい」という性質があります。
分子間力とは分子同士が結合する力のことですが、
この力が小さいということは固体や液体などのような原子が集合して分子を形成する力が小さいということです。
つまり、希ガスは固体や液体になりにくいため、沸点(液体→気体の温度)と融点(固体→液体の温度)が著しく低くなります。
わかりやすく言い換えると、よほどのことがない限りは気体のままだということです。
例えば、ヘリウムの沸点はおよそマイナス270度Cなので、マイナス270度Cよりも冷やさないと気体を液体にできません。
では、一体なぜこれほどまでに安定し、反応性が小さいのでしょうか?
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希ガスが安定な理由「ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン、クリプトン」
『アルカリ金属』の記事をお読みの方にはもう説明する必要はないかもしれませんが、
希ガスが安定する理由は「最外殻に電子が上限いっぱいあるから」です。
「希ガスはもともと状態が最も安定しているため、他の原子や分子と電子のやり取りをする必要がない=反応しない」ということです。
そのため、希ガスをヒトの体内に入れても他の原子と結合しないため、まず悪影響はないと考えられます。
声を変える遊びで使われる「ヘリウム:He」、深く潜水する際のボンベに使われる「アルゴン:Ar」などが有名でしょうか?
またクリプトン電球の「クリプトン:Kr」や日焼けマシーンのランプに使われている「キセノン:Xe」も希ガスに含まれます。
希ガスの中でも最も安定なヘリウムは気球や飛行船の浮力源としても使われていますね。
何しろ火を近づけても燃えることがありませんから。
ネオンサインの「ネオン:Ne」も希ガスだからこそ安定性・安全性が高いのです。
以上、『希ガスの性質・特徴と安定性の理由ーネオン、アルゴン、キセノン、クリプトン』でした!
最後までお読みいただき、ありがとうございました<(_ _)>
次章では元素の5分の4程度を占める『金属元素』の説明をします。
「金属」自体は馴染み深いと思いますが、なぜ光沢があるのか、なぜばらばらに分解しにくいのかなどを
原子レベルでひも解いていきます。
「希ガスの性質・特徴と安定性の理由ーネオン、アルゴン、キセノン、クリプトン」まとめ
希ガスの性質・特徴
・ 希ガスは、周期表の一番右側(18族)に位置する元素
・ 希ガスの最も大きな性質・特徴は、他の元素と反応しにくい、つまり安定した元素であるということ
・ もう1つの希ガスの性質・特徴として、分子間力が非常に小さいという性質がある
・ そのため、希ガスは固体や液体に非常になりにくい
希ガスが安定な理由
・ 希ガスが安定する理由は、最外殻に電子が上限いっぱいあるから
・ もともと状態が最も安定しているため、他の原子や分子と結合する必要がない=反応しない