化学

原子番号86,87,88,89,90|ラドン、フランシウム、ラジウム、アクチニウム、トリウム/特徴・性質・名前の由来

投稿日:2016年5月12日 更新日:

 

今回は「原子番号86,87,88,89,90」にあたる

ラドン(Rn)、フランシウム(Fr)、ラジウム(Ra)、アクチニウム(Ac)、トリウム(Th)の説明です。

 

この深い原子番号までくると元素の危険性の高さや希少性などの理由から、あまり実用化が進んでいない元素が目立つようになります。

ただし、次章で説明するウラン(U)やプルトニウム(Pu)は、危険かつ高価でもその有用性から燃料として使われています。

Radon (Rn), Francium (Fr), Radium (Ra), Actinium (Ac), Thorium (Th)

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原子番号86,87,88,89,90|ラドン、フランシウム、ラジウム、アクチニウム、トリウム/特徴・性質・名前の由来

原子番号86 ラドン(Rn)/特徴・性質・名前の由来

 

「原子番号86 ラドン(Radon)」の名前の由来は、原子番号88の「ラジウム(Radium)」です。

 

ラドンは18族の希ガスで、最も重い気体です

また、すべてが放射性同位体で、かつ強い放射能をもつため危険な元素でもあります

 

ラドン泉、ラジウム泉のように温泉や地下水にとけていることが知られています。

現在ではその危険性から、ほとんど利用されていない元素です

ラジウム

 

 

原子番号87 フランシウム(Fr)/特徴・性質・名前の由来

 

「原子番号87 フランシウム(Francium)」の名前の由来は、西ヨーロッパに位置する「フランス(France)」です。

発見者のペレーがフランス出身だったため、それにちなんでフランシウムと名付けられました。

 

フランシウムはアルカリ金属に属する金属で、その中では最も重い元素です

 

半減期が22分と非常に短く、存在量も少ないためほとんど研究が進んでおらず、科学的な性質もよくわかっていません

フランシウム

 

 

原子番号88 ラジウム(Ra)/特徴・性質・名前の由来

 

「原子番号88 ラジウム(Radium)」の名前の由来は、ラテン語の「放射線(Radius)」です。

ラジウムは1898年にキュリー夫妻によって発見されました

 

キュリー夫人の発見はポロニウム(Po)に続いて2つ目ですね。

ちなみにキュリー夫人はこのラジウムの放射線による被爆によって白血病で亡くなっています。

 

ラジウムはすべて放射性同位体であり取り扱いが難しいため、現在ではほとんど使われることはありません

 

ラジウム温泉が有名だと思いますが、そこには基本的にラジウムが崩壊してできたラドン(Rn)が含まれており、

人体にどのような影響があるのか科学的にははっきりしていません

ラジウム

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原子番号89 アクチニウム(Ac)/特徴・性質・名前の由来

 

「原子番号89 アクチニウム(Actinium)」の名前の由来は、ギリシア語の「放射線(Aktis)」です。

 

アクチニウムは放射活性の強い銀白色の金属元素で、暗闇では青白く光ります

 

天然ではウラン鉱石にわずかに含まれるだけで、基本的に研究以外での用途はありません。

研究面では、中性子を放出する性質から中性子源として用いられています

アクチニウム

 

 

原子番号90 トリウム(Th)/特徴・性質・名前の由来

 

「原子番号90 トリウム(Thorium)」の名前の由来は、古代スカンジナビア神話の雷神である「トール(Thor)」です。

 

トリウムは銀白色の金属で、空気中では表面だけが酸化されます

 

二酸化トリウム(ThO)は融点が3,300度Cと高く、

耐火性にも優れているためガス灯のマントルなどに使用されていました

 

他にも、トリウムを含むタングステン(W)はアーク溶接用の電極として利用されています。

トリウム

 

 

以上、『原子番号86,87,88,89,90ーラドン(Rn)、フランシウム(Fr)、ラジウム(Ra)、アクチニウム(Ac)、トリウム(Th)/特徴・性質・名前の由来』でした!

最後までお読みいただき、ありがとうございました<(_ _)>

 

 

「原子番号86,87,88,89,90ーラドン(Rn)、フランシウム(Fr)、ラジウム(Ra)、アクチニウム(Ac)、トリウム(Th)/特徴・性質・名前の由来」まとめ

原子番号86 ラドン(Rn)/特徴・性質・名前の由来

・ 希ガスに属し、最も重い気体

・ 強い放射能をもつため危険であり、ほとんど利用されていない

原子番号87 フランシウム(Fr)/特徴・性質・名前の由来

・ アルカリ金属に属し、その中では最も重い元素

・ 半減期が22分と非常に短く、ほとんど研究が進んでいない

原子番号88 ラジウム(Ra)/特徴・性質・名前の由来

・ 危険性から現在ではほとんど使われていない

・ ラジウム温泉には、基本的にラジウムが崩壊してできたラドンが含まれている

・ ラジウム温泉の効用は科学的には不明

原子番号89 アクチニウム(Ac)/特徴・性質・名前の由来

・ 放射活性の強い金属元素で、暗闇では青白く光る

・ 研究分野で中性子源として用いられている

原子番号90 トリウム(Th)/特徴・性質・名前の由来

・ 二酸化トリウム(ThO)は融点が高く、耐火性に優れている

・ トリウムを含むタングステンはアーク溶接用の電極として利用されている

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