化学

原子番号76,77,78,79,80|オスニウム、イリジウム、白金、金、水銀/特徴・性質・名前の由来

投稿日:2016年5月10日 更新日:

 

今回は「原子番号76,77,78,79,80」にあたる

オスニウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(はっきん:Pt)、金(Au)、水銀(Hg)の説明です

 

久しぶりに有名どころが豊富ですね。

今回はちゃんと気合を入れて書きます…少なくとも金だけは。

Osnium (Os), Iridium (Ir), Platinum (Pt), Gold (Au), Mercury (Hg)

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原子番号76,77,78,79,80|オスニウム、イリジウム、白金、金、水銀/特徴・性質・名前の由来

原子番号76 オスニウム(Os)/特徴・性質・名前の由来

 

「原子番号76 オスニウム(Osmium)」の名前の由来は、ギリシア語の「臭い(Osme)」です。

名前の由来の通り、四酸化オスニウム(OsO)は常温で気体となり、強烈なにおいと強い毒性を示します

 

その一方で、四酸化オスニウムは酸化剤や酸化触媒として有用でもあります。

 

また、オスニウムはイリジウム(Ir)と並んで非常に重い物質で、

イリジウムとの合金は酸やアルカリに対する耐性が高いため、主に万年筆のペン先などに利用されています

オスニウム

 

 

原子番号77 イリジウム(Ir)/特徴・性質・名前の由来

 

「原子番号77 イリジウム(Iridium)」の名前の由来は、ギリシア神話の虹の女神である「イリス(Iris)」です。

 

イリジウムはすべての金属の中で最も腐食・変質しにくいことで有名です

 

工業的な用途は、先程述べたオスニウムとの合金くらいなのですが、

この元素の影響で、恐竜が絶滅した原因は巨大隕石の影響だと考えられています

 

その理由は、地球上にイリジウムがほとんど存在していないにもかかわらず、

① 恐竜絶滅期の6,550億年前の地層(K/T境界)からイリジウムが相対的に多量に発見されていること

② 隕石の中にイリジウムが多量に含まれていること

の2点です。

イリジウム

 

 

原子番号78 白金(Pt)/特徴・性質・名前の由来

 

「原子番号78 白金(Platinum)」の名前の由来は、スペイン語の「小さな銀:プラチナ(Platina)」です。

 

ご存じの通り、銀白色で綺麗な「プラチナ」の白金です

白金という和名自体は、プラチナがヨーロッパで「ホワイト・ゴールド」と呼ばれてることに起因します。

 

アクセサリーや硬貨の材料として有名ですが、その多くは金(Au)との合金で純粋な白金ではありません

工業的にはキログラム原器や燃料電池の電極材に使われ、

医療的には抗がん剤(シスプラチン)として有用です。

白金

 

 

原子番号79 金(Au)/特徴・性質・名前の由来

 

「原子番号79 金(Gold)」の名前の由来は、ラテン語の「太陽の輝き(Aurum)」です。

英語の「ゴールド(Gold)」という名称は、インドヨーロッパ語の「黄金(Geolo)」に由来します

 

誰もが知っている極めて希少な金属元素が「金」です

わかりやすく銅と比較すると、その存在量は地殻で銅の10万分の1以下です。

 

自然界で黄金色を放つ金属は金のみで、

この金色は、金が可視光の ”青~紫色” の光(波長)を吸収し、”赤~黄色” を反射するためです

 

また、金の「輝き」の原理は、

元素の間を自由に動き回っている電子(自由電子)が光を反射(正確には吸収・放出)をすることでまばゆく見えているためです。

詳しくは『金属元素』の記事で説明していますので、興味のある方はぜひお読みください。

 

金の使い道として、装飾品や金貨などのイメージが強いと思いますが、

工業・医療分野においても非常に有益な金属です

 

代表的なものには、腐食しにくく加工しやすい性質を利用した電子回路の電極、

医療的には抗リウマチ剤などに含まれています

 

そして、安い金属から金を生み出す「錬金術」を絵空事と考えている方が多いかもしれませんが、

技術的には安価な水銀(Hg)とベリリウム(Be)から金を生成することができます

 

これは人工的に元素を生み出す過程と同じで、

原子番号の1つ大きい水銀とベリリウムを加速器を使って核反応を生じさせ、最終的に金が生成される原理です。

 

ただし、現在の加速器と技術手法では、極めてわずかな金しか生成されないため、採算は合いません

今後、加速器あるいは技術に抜本的な革新が生じれば、真の錬金術が可能となるかもしれませんね。

金

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原子番号80 水銀(Hg)/特徴・性質・名前の由来

 

「原子番号80 水銀(Mercury)」の名前の由来は、ローマ神話の商売の神である「メリクリウス(Mercurius)」です。

 

水銀は常温でも液体となる唯一の金属元素です

その性質を利用し、温度計や体温計に使用されていることで有名ですね

 

また、蛍光灯に封入されている蒸気も水銀です。

 

水俣病の原因としてメチル水銀が有名ですが、

一般に他の水銀化合物の毒性も強いため、現在ではほとんど使われていません

水銀

 

 

以上、『原子番号76,77,78,79,80ーオスニウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(はっきん:Pt)、金(Au)、水銀(Hg)/特徴・性質・名前の由来』でした!

最後までお読みいただき、ありがとうございました<(_ _)>

 

 

「原子番号76,77,78,79,80ーオスニウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(はっきん:Pt)、金(Au)、水銀(Hg)/特徴・性質・名前の由来」まとめ

原子番号76 オスニウム(Os)/特徴・性質・名前の由来

・ 四酸化オスニウム(OsO)は常温で気体となり、強烈なにおいと強い毒性を示す

・ オスニウムは非常に重い物質で、万年筆のペン先などに利用されている

原子番号77 イリジウム(Ir)/特徴・性質・名前の由来

・ すべての金属の中で最も腐食・変質しにくい

・ この元素の影響で、恐竜が絶滅した原因は巨大隕石の影響だと考えられている

原子番号78 白金(Pt)/特徴・性質・名前の由来

・ 「プラチナ」の白金

・ アクセサリーや硬貨の材料として使用されているが、その多くは金との合金

・ キログラム原器抗がん剤として有用

原子番号79 金(Au)/特徴・性質・名前の由来

・ 極めて希少な金属元素

・ 装飾品や金貨のほか、電子回路の電極や抗リウマチ剤などに含まれている

・ 金の錬金術は技術的に可能だが、現在の機器と技術では採算が合わない

原子番号80 水銀(Hg)/特徴・性質・名前の由来

・ 常温で液体となる唯一の金属元素

・ 温度計や体温計に使用されているほか、蛍光灯にも封入されている

・ メチル水銀は水俣病の原因

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