化学

原子番号71,72,73,74,75|ルテチウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム/特徴・性質・名前の由来

投稿日:2016年5月9日 更新日:

 

今回は「原子番号71,72,73,74,75」にあたる

ルテチウム(Lu)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)の説明です。

タンタルやタングステンは聞いたことがある方が多いかもしれませんね。

Lutetium (Lu), Hafnium (Hf), Tantalum (Ta), Tungsten (W), Rhenium (Re)

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原子番号71,72,73,74,75|ルテチウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム/特徴・性質・名前の由来

原子番号71 ルテチウム(Lu)/特徴・性質・名前の由来

 

「原子番号71 ルテチウム(Lutetium)」の名前の由来は、パリの旧名である「ルテシア(Lutecia)」です。

 

ルテチウムも地球上での存在量が少ないレアアース(希土類)です

加えて、ルテチウムを分離する過程が面倒であるため、レアアースの中でもトップクラスの高価格となっています。

 

そのために、ほとんど工業的には使われていないのですが、

176Luの半減期がおよそ360~380億年と長いため、年代測定には用いられています(Lu-Hf法)

他には、PET(ポジトロン断層法)装置のシンチレーターに使用されている程度です。

ルテチウム

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原子番号72 ハフニウム(Hf)/特徴・性質・名前の由来

 

「原子番号72 ハフニウム(Hafnium)」の名前の由来は、コペンハーゲンのラテン名である「ハフニア(Hafnia)」です。

 

ハフニウムは銀色の重い金属で、延性があります

 

ジルコニウム(Zr)の500倍もの中性子吸収能力があるため、原子炉の制御棒などの中性子吸収材として主に用いられます

 

他には、ハフニウムの化合物である窒化ハフニウム(HfN)は耐火セラミックスとして有用で、

酸化ハフニウム(HfO)はトランジスターの材料となります。

ハフニウム

 

 

原子番号73 タンタル(Ta)/特徴・性質・名前の由来

 

「原子番号73 タンタル(Tantalum)」の名前の由来は、ギリシア神話の「タンタロス(Tantalus)」です。

 

タンタルは硬くて延性のある金属です

融点がおよそ3,000度Cと非常に高く、この値はすべての元素の中でも4番目に高い融点です(1位はタングステン)。

 

体に無毒な金属であるため、人工骨や接合ボルト、歯のインプラント治療などに広く使われています

その他にも、腐食に強い電解コンデンサーの電極として、携帯やパソコンなどの小型機器に利用されています。

タングステン

 

 

原子番号74 タングステン(W)/特徴・性質・名前の由来

 

「原子番号74 タングステン(Tungsten)」の名前の由来は、スウェーデン語の「重い石(Tungsten)」です。

タングステンの「W」は、ドイツ語(Wolfram)からとったものですね。

 

先程のタンタルでも述べましたが、金属の中で最も高い融点を誇ります

その性質に加えて、蒸気圧が低く細い線に加工することが容易なため、

主に白熱電球のフィラメントとして用いられています

 

他にも、鉄鋼にタングステンを添加すると極めて硬くなることから、

タングステン鋼(炭素+タングステン)は超硬合金としてドリルなどの切削工具に使われています

タングステン

 

 

原子番号75 レニウム(Re)/特徴・性質・名前の由来

 

「原子番号75 レニウム(Rhenium)」の名前の由来は、ヨーロッパを流れる「ライン川(Rhein)」です。

 

融点はタングステンに次いで高く、熱伝導度も高い性質があります

そのため、タングステンとの合金は高温用の温度センサーに使われています

 

他にも、質量分析用のフィラメントや脱水素化の触媒などに利用されています。

レニウム

 

 

以上、『原子番号71,72,73,74,75ールテチウム(Lu)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)/特徴・性質・名前の由来』でした!

最後までお読みいただき、ありがとうございました<(_ _)>

 

 

「原子番号71,72,73,74,75ールテチウム(Lu)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)/特徴・性質・名前の由来」まとめ

原子番号71 ルテチウム(Lu)/特徴・性質・名前の由来

・ レアアースの中でもトップクラスの高価格

・ 176Luの半減期の長さから、年代測定に用いられている(Lu-Hf法)

原子番号72 ハフニウム(Hf)/特徴・性質・名前の由来

・ 中性子吸収能力が高く、原子炉の制御棒などの中性子吸収材として有用

・ 窒化ハフニウム(HfN)は耐火セラミックス

・ 酸化ハフニウム(HfO)はトランジスターの材料となる

原子番号73 タンタル(Ta)/特徴・性質・名前の由来

・ 硬くて延性のある金属で、体に無毒

・ 人工骨や接合ボルト、歯のインプラント治療などに広く使われている

原子番号74 タングステン(W)/特徴・性質・名前の由来

・ 全金属の中で融点が最も高い

・ 蒸気圧が低さ、加工のしやすさから、白熱電球のフィラメントとして用いられている

・ タングステン鋼(炭素+タングステン)は非常に硬く、超硬合金として有用

原子番号75 レニウム(Re)/特徴・性質・名前の由来

・ 融点はタングステンに次いで高く、熱伝導度も高い

・ タングステンとの合金が高温用温度センサーに使われている

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