『声紋分析(解析)と認証』ー声から年齢や身長、体調までわかる?仕組みは?

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「声」には年齢や身長、体調といったさまざまな情報が含まれています

実際に「声紋分析」という声から情報読み取る解析が、警察庁の科学警察研究所では1960年代から導入されています。

 

今回は『声紋分析(解析)と認証ー声から年齢や身長、体調までわかる?仕組みは?』として、

1、声紋の仕組みは?-個性の原因

2、声紋分析による年齢、身長、体調の推定

の2つをご紹介します。

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『声紋分析(解析)と認証』ー声から年齢や身長、体調までわかる?仕組みは?

声紋の仕組みは?-個性の原因

 

「声紋」とは「声の特徴をまとめたデータ=声の個性」です

ほとんどの場合が、「声の周波数」である振動を解析してグラフ化しています

 

まずは「声が出る仕組み」から説明していきましょう。

 

声は、空気を振動させることによって聴こえる音です。

気管の入り口にある声帯という器官が閉じれば有声音、開けば無声音となります。

 

声として特定の音を出すためには、2つのステップが必要です。

 

声の出し方、2つのステップ

1、肺から空気を押し出す(空気の流れを作る)

2、空気に振動させて、特定の音にする

 

まず1の「肺から空気を押し出す」は、振動させる空気を生み出す過程です。

そのため、息を吸い込みながらでも声を出すこと自体は可能です。

 

次の2の「空気に振動させて、特定の音にする」は、肺から出た空気を振動させる過程です。

この振動の仕方に体の構造が関わってくるため、「個性」となります。

 

 

振動をつかさどっているのは3つの「穴」です。

 

声紋の振動、3つの穴

① 口腔(こうくう:口の中の空間)

② 鼻腔(びくう:鼻の中の空間)

③ 咽頭(いんとう:声帯から口腔、鼻腔までの空間)

 

①の口腔が最も重要で、口の中の容積を変えたり、舌を動かすことによって音の共鳴(響き方=声)を決めています

 

加えて、②と③の空間は一人ひとり大きさが異なるため、

同じような音に聞こえても「声の特徴」は唯一無二となり、指紋同様に声紋も個人の特定に使用できるわけです。

 

ちなみに「声紋」にはその人特有の話し方も深くかかわってくるため、

遺伝情報が同じ一卵性双生児の場合でも声紋は異なります。

声2

※ 画像は横浜市立市民病院・耳鼻咽喉科のHPより転載

 

簡単に説明しましたが、以上が発声の仕組みであり、声紋が個体間で異なる要因です。

 

少しだけ補足しますが、実際の解析ではフォルマントといわれる3つの共鳴している周波数を使います

 

例えば「ア」という音を生み出すだけでも、700、1100、2900ヘルツという3つの周波数の共鳴が必要となっています。

音楽ソフトなどでこの3つのフォルマントを組み合わせれば「ア」と聞こえるはずです。

 

 

続いては、声紋からどういった情報まで読み取れるのか説明していきましょう。

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声紋の解析と認証(声紋分析による年齢、身長、体調の推定)

 

裁判の証拠としても使われている「声紋」ですが、個人を特定・認証するのみでなく、他にもさまざまな情報を反映しています。

声紋を解析することで得られる主な情報は、「年齢、身長、体調」の3つです。

 

1、年齢(5~10歳間隔で推定可)

25歳を過ぎると筋肉が衰え始めることにより、「声の劣化」が始まります。

例えば特定の音を長く伸ばすとき、口と声帯の形を変えずに肺から一定の空気を送り続けなければなりません。

 

歳を重ねるごとに、この一定の音が難しくなっていき、音程が崩れるようになります

 

実際に「アーー」と発生してみてください。

強く意識すればある程度一定の発音にすることはできますが、普段の会話ではボロが出て振動してしまいます。

 

その振れを過去のデータと照合することで年齢の推定が可能となっています。

 

 

2、身長(5cm間隔で推定可)

身長の高い方は、体のパーツ(声帯)も比例して大きくなる傾向にあります。

声帯が大きい場合には、小さい場合と比べて振動速度が遅くなるため、声が低くなります

 

実際には、身長と声帯の大きさが比例しない場合もありますが、

あくまで推定材料として身長も取り上げられています。

 

現在の精度では、例外となるケースはありますが、5cm間隔で推定可能です。

 

 

3、体調

最後は体調です。

声が体調を反映することを意外に思われるかもしれませんが、

体調が悪い時には不必要にエネルギーを消費しない傾向にあります

 

これは発声についても該当し、とくに腹筋を使う発音に顕著に表れます。

 

腹筋の使用を抑える場合、2,000~3,000ヘルツの周波数が著しく弱くなるため、声紋から体調を読み取ることができます

実際に、アルカイダの指導者であったビンラディン氏の声紋分析からアメリカ軍は体調に関する考察を行っています。

 

 

以上、『声紋分析(解析)と認証ー声から年齢や身長、体調までわかる?仕組みは?』でした!

実は声以外でも、音という情報は多くの分析・解析に使われています。

 

何気ない雑音からでも床の材質、絵画の有無、部屋にいる人数など推測することが可能なほど現在の技術は進んでいます。

よい論文があれば、それらの雑学も紹介したいと思いますので、今回はここまでにさせていただきます。

 

 

「声紋分析(解析)と認証ー声から年齢や身長、体調までわかる?仕組みは?」まとめ

声紋の仕組みは?-個性の原因

・ 声紋とは、声の特徴をまとめたデータ=声の個性

・ 声が出る仕組み

1、肺から空気を押し出す(空気の流れを作る)

2、空気に振動させて、特定の音にする

・ 振動をつかさどる3つの空間

① 口腔(口の中の空間)

② 鼻腔(鼻の中の空間)

③ 咽頭(声帯から口腔、鼻腔までの空間)

・ これらの空間には個体差があるため、指紋同様に個人を特定することができる

声紋の解析と認証(声紋分析による年齢、身長、体調の推定)

1、年齢(5~10歳間隔で推定可)

歳を重ねるごとに筋肉が衰え、一定の長い音を発声することが難しくなっていく

2、身長(5cm間隔で推定可)

身長が高い≒声帯が大きい場合には、小さい場合と比べて声帯の振動速度が遅くなるため、声が低くなる

3、体調

体調が悪い場合、腹筋の使用を抑えるため、2,000~3,000ヘルツの周波数が著しく弱くなる

 

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