スーパーで売っている飲料の多くが「ペットボトル」に入れられています。
飲料ごとに「ペットボトルの形」が違うことはご存知でしょうか?
炭酸の場合は下が出っ張って全体的に丸い形を、お茶の場合は長方形をしています。
当然、この形には重要な意味があります。
今回は『ペットボトルの雑学|作り方は?形の違いはなんのため?』として、
1、【ペットボトル】とは?-素材と作り方
2、【ペットボトル】の形が違う意味
の2つを中心に、”わかりやすく” ご紹介します。
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ペットボトル|作り方・形の違い
ペットボトルとは?|素材と作り方
「ペットボトル」とは、「ポリエチレンテレフタラート(PET:PolyEthylene Terephthalate)ボトル」の略称です。
「エチレン」と「テレフタル酸」という小さな分子が交互につながった構造をしたプラスチックの1種です。
この分子には曲がりやすい特徴があって、ペットボトルの場合では、いろいろな長さの分子が多数絡み合った状態になっているので衝撃を吸収することができます。
作り方はいたって簡単です。
ペットべトルの作り方は、材料であるペット(PET)は加熱すると溶けるため、型にはめて整形するだけです。
前回紹介した「ガラス」の製法も同様に加熱 ⇒ 冷却の仕組みでしたね。
ただし、ペットボトルの場合は厚さを正確に均一にするために、2回 ”型” を使います。
まず始めに、ペットを加熱して「パリソン」という型で試験管の形にペットを整形します。
その後、再び加熱して最終的なペットボトルの型に入れ、空気を吹き込んで整形します。
以上が「ペットボトルの作り方」です。
厚さを均一にすることは意外と大変なのですね。
そう考えると、ガラス職人の方々の技術レベルがいかに高いかよく理解できます。
続いては、「ペットボトルの形が違う理由」です。
実は炭酸には炭酸、お茶にはお茶に適した容器の形があるのです。
ペットボトルの形が違う理由|形の違いはなんのため?
ペットボトルの形の違いは、「中の圧力に強い構造にする必要があるかどうか」によります。
「炭酸」の場合では、容器を特殊な形にすることで「耐圧性」を付加しています。
炭酸には、炭酸ガス(CO2)が無理やり押し込められていて、すぐにでも外に出ようとしています。
そのためとんがった部分や角があると、そこに圧力が集中してペットボトルが破裂する可能性があります。
そこで「炭酸」の容器は、できるだけ丸みを帯びた形状にし圧力が均等に加わるように工夫されています。
さらに、足の部分を三脚のような丸い突起物にすることで、角がなくても立てる構造にしてあります。
では、「お茶」の場合はどうかというと、特に内部圧力を気にする必要はないので、強度面だけを重視して作られています。
表面の凹凸や、足のくぼみと線などはいずれも強度を増すための仕組みです。
ちなみに、簡単につぶせる「いろはす」のペットボトルの構造は、
一部をあえて5角形にすることで「つぶれやすさ」を実現させています。
画像は「NIKKEI STYLEより」
補足として、ホット飲料などでみられる白い飲み口の部分もペットボトルです。
これはペットボトルを100度C以上で数分間加熱して、分子を結晶化(規則正しく並べること)することでより「耐熱性」を高めています。
そのため、ペットボトルを全部結晶化させれば抜群の「耐熱性」を誇るのですが、中身が見えないので避けられているようですね。
以上、『ペットボトルの雑学ー作り方は?形の違いはなんのため?』でした!
最後までお読みいただき、ありがとうございました<(_ _)>
「ペットボトル|作り方・形の違い」まとめ
ペットボトルとは?-素材と作り方
・ ペットボトルは、「ポリエチレンテレフタラート(PET:PolyEthylene Terephthalate)ボトル」の略称
・ エチレンとテレフタル酸という小さな分子が交互につながった構造をしたプラスチックの1種
・ ペットべトルの製造時には、2回 ”型” を使う
・ 始めに「パリソン」という型で試験管の形にペットを整形する
・ その後、再び加熱し最終的なペットボトルの型に入れ、空気を吹き込んで整形する
ペットボトルの形が違う理由
・ ペットボトルの形の違いは、「中の圧力に強い構造にする必要があるかどうか」による
・ 炭酸の容器は、できるだけ丸みを帯びた形状にし圧力が均等に加わるように工夫されている(耐圧性の付加)
・ 加えて、足を丸い突起物にすることで、角がなくても立てる構造にしてある
・ お茶の場合は、強度面だけを重視して作られている(表面の凹凸や、足のくぼみと線など)