今回は「原子番号46,47,48,49,50」にあたる
パラジウム(Pd)、銀(Ag)、カドミウム(Cd)、インジウム(In)、スズ(Sn)の説明です。
まだ半分にも到達していないかと思うと気が遠くなってきます…。
ここまで読んでくださる読者の方が1人はいると信じ、書き続けます。
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原子番号46,47,48,49,50|パラジウム、銀、カドミウム、インジウム、スズ/特徴・性質・名前の由来
原子番号46 パラジウム(Pd)/特徴・性質・名前の由来
「原子番号46 パラジウム(Palladium)」の名前の由来は、小惑星である「パラス(Pallas)」です。
パラジウムの合金は、水素を吸収する能力が秀でています。
自信の体積の900倍以上の水素を吸収することができ、
かつ貯蓄する性質も持っているため水素の精製には欠かすことのできない存在です。
その他にも、自動車の排気ガスを綺麗にする触媒や各種装飾品、歯科治療などに利用されています。
原子番号47 銀(Ag)/特徴・性質・名前の由来
「原子番号47 銀(Silver)」の名前の由来は、アングロサクソン語の「銀(Sioltur)」です。
銀の「Ag」は、ラテン語の銀(Argentum)からとったものです。
そのまま「Si」と表記するとケイ素になってしまいますね。
原子番号的には臭素(Br)以来の有名元素なのでしょうが、
銀貨や宝飾品などの高級なイメージが強いと思います。
実際には金のような希少性は低く、銀の化合物はさまざまな分野で広く使われています。
最も有名なところでは、抗菌作用としての銀イオン(Ag+)でしょう。
これは銀イオンが細菌の表面(細胞膜)や体内のタンパク質(酵素)の構造を変化させ、細菌の機能を停止させることに起因した効果です。
結果として、細菌自体が死ぬことはあまりありませんが、増殖(細胞分裂)できなくする作用があります。
『抗菌の雑学』でも紹介していますので、抗菌に興味のある方はぜひお読みください。
また、過去の産物となりつつはありますが、臭化銀(AgBr)を使った写真フィルムも有名ですね。
これは臭化銀が光を受けておきる化学反応を利用したもので、原理は意外と単純です。
フィルムに光が当たるとまず臭素イオンから電子が飛び出すのですが、
この飛び出した電子と銀イオンが結合することで銀原子の黒い点ができます。
この点が増えていくことで、色の濃淡、つまり画像が再現されるのです。
他にも印画紙や歯の治療用の合金など、銀の使い道は非常に豊富です。
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原子番号48 カドミウム(Cd)/特徴・性質・名前の由来
「原子番号48 カドミウム(Cadmium)」の名前の由来は、ラテン語で鉄の混ざった酸化亜鉛を指す「カラミン(Cadmia)」です。
イタイイタイ病の原因としてカドミウム中毒は有名ですね。
他にも、ニッカド電池を思い浮かべる方がおられると思いますが、
あれはニッケルを正極に、カドミウムを負極に使った電池です。
また硫化カドミウムは、カドミウムイエローと表現されるように鮮やかな黄色を示し、油絵具などに広く使われています。
カドミウムは空気中では安定性が高いため、メッキとしても一部利用されています。
原子番号49 インジウム(In)/特徴・性質・名前の由来
「原子番号49 インジウム(Indium)」の名前の由来は、ラテン語の「藍色(あいいろ)(Indicum)」です。
インジウムは空気中では酸化膜におおわれているため、安定性が高く半導体の材料として利用されています。
また、化合物である酸化インジウムは高い電導性と透明性から、
PCなどの液晶ディスプレーの電極としても使われています(透明導電膜)。
スマホ製品の省エネ液晶に使われているIGZO(イグゾー)半導体というのは、
酸素 (O) 、亜鉛 (Zn)、ガリウム (Ga) 、インジウム (In) を使ったアモルファス半導体のことです。
原子番号50 スズ(Sn)/特徴・性質・名前の由来
「原子番号50 スズ(Tin)」の名前の由来は、ラテン語の「鉛と銀の合金(Stannum)」です。
現在では、Stannum はちゃんとスズという意味なので誤解しないでください。
「銅(Cu)」の項でも説明しましたが、銅とスズの合金が青銅(ブロンズ)です。
他にも、鉄板をスズでメッキしたものが「ブリキ」、
スズと鉛(Pb)の合金が「はんだ」です。
単体としてのスズは同位体が多く存在し、天然に10種も存在しています。
ブロンズ、ブリキ、はんだ など他の元素と組み合わせることで特徴的な性質をもつ元素の代表格ですね。
以上、『原子番号46,47,48,49,50ーパラジウム(Pd)、銀(Ag)、カドミウム(Cd)、インジウム(In)、スズ(Sn)/特徴・性質・名前の由来』でした!
最後までお読みいただき、ありがとうございました<(_ _)>
「原子番号46,47,48,49,50ーパラジウム(Pd)、銀(Ag)、カドミウム(Cd)、インジウム(In)、スズ(Sn)/特徴・性質・名前の由来」まとめ
原子番号46 パラジウム(Pd)/特徴・性質・名前の由来
・ パラジウムの合金は、水素を吸収する能力が秀でている
・ 自動車の排気ガスを綺麗にする触媒や装飾品などに利用されている
原子番号47 銀(Ag)/特徴・性質・名前の由来
・ 希少性はそれほど高くなく、銀の化合物はさまざまな分野で広く使われている
・ 銀イオン(Ag+)には抗菌作用がある
・ 臭化銀(AgBr)は、写真フィルムに利用されている
原子番号48 カドミウム(Cd)/特徴・性質・名前の由来
・ イタイイタイ病の原因
・ ニッカド電池は、ニッケルを正極に、カドミウムを負極に使った電池です。
・ 硫化カドミウムは、染色に使われる(カドミウムイエロー)
原子番号49 インジウム(In)/特徴・性質・名前の由来
・ 安定性が高く半導体の材料として利用されている
・ 酸化インジウムの高い電導性と透明性から、液晶ディスプレーなどに使われている(透明導電膜)
原子番号50 スズ(Sn)/特徴・性質・名前の由来
・ 銅(Cu)とスズの合金が、青銅(ブロンズ)
・ 鉛(Pb)とスズの合金が、はんだ
・ 鉄板をスズでメッキしたものがブリキ