今回は『フグの雑学|毒の正体は?/養殖フグには毒がない?』として、前半は『フグの雑学』を紹介し、後半は『お中元で人気のフグ』を紹介をしたいと思います。
「フグ」と聞いてと連想するのは、「猛毒」、「フグ刺し」、「危険を感じると大きくなる」というところでしょうか。
フライング雑学として、フグ自体は毒をつくっていません。
今回は
1、フグの猛毒の正体(トラフグとテトロドトキシン)
2、無毒なフグの作り方
3、お中元・お取り寄せで人気のトラフグ
の3本立てでお送りいたします。
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フグの雑学|毒の正体は?/養殖フグには毒がない?
フグ猛毒の正体|トラフグとテトロドトキシン
フグの毒は「テトロドトキシン」という低分子の神経毒です。
この「テトロドトキシン」は自然界でもトップクラスの猛毒で、およそ2mgあれば致死量に達します。
2mgと言われてもピンと来ないかもしれませんが、スプーン1一杯(2g)で1,000人殺せると考えればわかりやすいでしょうか。
この毒をもつのは最高級フグとして有名な「トラフグ」などの一部だけで、同じフグ科でも「ハリセンボン」や「カワハギ」はもちません。
一度テトロドトキシンを体内に入れてしまうと、麻痺や呼吸困難を引き起こします。
これは、テトロドトキシンの成分が神経の伝達(ナトリウムイオンの出入り)を阻害することに起因します。
現在でも有効な解毒薬は臨床段階にないため、呼吸器を付けるなどしてただただ毒が去るのを待つしかありません。
さて、肝心の「毒の正体」についてもっと迫っていきましょう。
冒頭でも述べましたが、フグ自体は毒を生成できません。
テトロドトキシンをもつ生物を捕食することで、体内に毒を保持しています。
実はあまり実感がないかもしれませんが、比較的身近な生物の中にも微量のテトロドトキシンをもった生物は多くいます。
例えば、カリフォルニアイモリやカブトガニ、ヒョウモンダコなどです。
身近…ではないですかねw
フグの場合は、毒をもつ貝やヒトデを捕食しています。
この貝やヒトデも自ら毒を生成しているわけでななく、「毒を作った海洋細菌」を食べたプランクトンを食べて毒を保持しています。
少しややこしいですが、「食物連鎖の過程で、テトロドトキシンが委譲されていった」ということです。
フグの毒の原因が食事だとすると、無毒なフグが人工的に作れるような気がしませんか?
続いては、「無毒なフグの作り方」です。
無毒なフグの作り方|養殖フグの肝は食べられる?
フグを無毒に育てるのは極めて簡単です。
毒をもたないエサだけを食べさせてやればよいのです。
実際に一部の養殖場では実施していて、エサの管理さえ徹底すれば、美味と噂の肝さえ無毒になるそうです。
現時点では基本的に”肝” は規制対象なので食べることはできませんが、肝だけは一度食べてみたいものですよね。
ちなみに、「養殖」と記載されているフグでも毒の管理を行っていない場合がほとんどなので、
いくら食べたくても「肝」に手を出してはいけません。
それでも食べるというお方は、病院の前でお試しください…。
それでは最後に「お中元・お取り寄せで人気のトラフグ」のご紹介です。
このフグの記事は知人へのお中元催促のために執筆したといっても過言ではありませんのでw
お中元・お取り寄せで人気のトラフグ
最もお中元・お取り寄せで人気なフグはダントツで「トラフグ」です。
トラフグは太平洋の北西海域に生息しているのですが、その歯ごたえと甘味から最高級のフグとして崇められていますね。
最近ではお中元としてフグを送ることが人気となりつつありますが、楽天の取り寄せ・お中元ランキングでも上位に入り込んでいます。
以上、「フグの雑学ー毒の正体は?/養殖フグには毒がない?」でした!
最後までお読みいただき、ありがとうございました<(_ _)>
「フグの雑学ー毒の正体は?/養殖フグには毒がない?」まとめ
フグの猛毒の正体
・ フグの毒はエサに由来する
・ その毒をもつエサ自体も、食物連鎖の過程で毒を獲得している
・ フグの毒はテトロドトキシンという神経毒
・ テトロドトキシンは、スプーン1一杯(2g)で1,000人殺せる猛毒
・ テトロドトキシンをもつのは、トラフグなどの一部のフグ科だけ
・ テトロドトキシンの成分が神経の伝達を阻害する
無毒なフグの作り方
・ 毒をもたないエサだけを食べさせる(毒の管理を徹底した養殖)
・ 将来的には、珍味とされるフグ肝をたべられるようになるかもしれない