今回は『海獣(かいじゅう)の雑学』として、
クジラ・アザラシが長く潜っていられるのはなぜ?
という疑問に、”わかりやすく・簡単に” 答えていきます。
クジラ・アザラシが長く潜っていられるのはなぜ?
クジラ・アザラシが長く潜っていられるのはなぜ?
さっそく『クジラ・アザラシが長く潜っていられるのはなぜ?』の答えから!
「クジラ・アザラシが長く潜っていられる理由」は、ずばり
【筋肉】の中にたくさんの【酸素】をためておけるから
です。
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私たち「ヒト」は
【ヘモグロビン】というタンパク質が【酸素】と結合
することで、
全身に酸素を送って
いますが、「クジラ」や「アザラシ」などの長時間潜水可能な海獣(海生哺乳類のこと)は
【ミオグロビン】というタンパク質によって酸素を運搬&貯蔵
しています。
【ヘモグロビン】も【ミオグロビン】も【酸素】を全身に届ける
という意味では同じですが、
ヘモグロビン ⇒ 【酸素運搬能力】に優れているが、【酸素貯蔵能力】は低い
ミオグロビン ⇒ 【酸素運搬能力】はかなり低いが、【酸素貯蔵能力】は高い
といった感じで、
【ミオグロビン】は長時間の潜水にとても向いている
といえます(ゾウアザラシは2時間くらい潜っていられます)。
ここまで話すと
「それなら人間もミオグロビンを使ったらいいんじゃない…!?」
と質問されそうですが、
陸上 ⇒ 酸素はすぐに補給できるので、激しい運動をするためにすぐに全身に酸素が行き届く方が便利!
海中 ⇒ 酸素は補給できない代わりに、水の【浮力】があるので少しの力で全身に酸素を送れる!(重力の影響が小さい)
といった具合に、
【陸】では力強く酸素(血液)を送る必要がある一方、【海】では酸素運搬能力は低くても問題ない
ために、
人間はヘモグロビンを、海獣はミオグロビンを酸素運搬に利用
しているわけです。
もちろん、
ヒトにも【ミオグロビン】は筋肉中に存在
していて、
筋肉が赤く見えるのはミオグロビンの色素のため
です(ただし、ミオグロビンの濃度は海獣の1/10ほど)。
また、クジラやアザラシなどの海獣は
酸素交換能力が非常に高い
ことも長時間の潜水を可能にしています。
ヒトの場合では
酸素の~15%ほどしか交換できない
一方で、海獣であれば種によって異なりますが
80~90%の酸素を交換可能
になっています。
つまり、
ミオグロビン
酸素交換能力
の2点におかげで海獣は長く潜っていられるといえます。
以上、『クジラ・アザラシが長く潜っていられるのはなぜ?』について簡単にまとめました。
お読みいただきありがとうございました<(_ _)>
『クジラ・アザラシが長く潜っていられるのはなぜ?』まとめ
クジラ・アザラシが長く潜っていられる理由 ⇒ ミオグロビンによって大量の酸素を筋肉中に貯蓄でき、酸素交換率も非常に優れているから