この地球上には1,000万種近くの生物が暮らしていると考えられています。
2016年現在確認されている種は200万種程度ですが、これらすべての種は
46億年前に地球が誕生したときに含まれていた水素や酸素、リンなどの元素から成り立っています。
では、最初の生命体はいったいどうやって生まれ、1,000万にも及ぶ多様性を獲得したのでしょうか?
今回は『生命/生命の定義とウイルスの分類』として、
まずは「生命とはなにか」という議題で「生命の定義」を解説したいと思います。
次章で、最初の生命体が生まれた現象について説明します。
今回は話を脱線することなく書き進められたので本文も読んでいただけるとうれしいです。
※ 結論だけ知りたい人は最後の「まとめ」だけお読みください<(_ _)>
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生命とは?|定義とウイルスの分類
生命の定義とウイルス
「命」という概念は、みなさん感覚的にはよくご存じだと思います。
しかし、イメージすることは自体は簡単なのですが、文章で定義するとなると非常に難しいテーマです。
実際に、主要な論文を読みあさりましたが、研究者によって見解はさまざまです。
もっと言えば、自身の研究に都合の良いように解釈している節さえあります…。
今回は一般的に広く認められている3項目のみを紹介します。
1、外界と自己を隔てる膜を有している
2、自己と遺伝的に類似した子孫を残せる(=自己複製能力を有する)
3、代謝による生命維持機能を有する
以上の3点は、ほぼ異論なく認められる定義です。
それでは、わかりやすく説明していきます。
1、外界と自己を隔てる膜を有している
これは単純に「自分と外に境界線がある」という意味です。
隔てるものがなければ、他の元素と混ざり合ったり引力でバラバラになり存在を維持できませんよね。
2、自己と遺伝的に類似した子孫を残せる(=自己複製能力を有する)
こちらも単純です。
自分の子供が残せなければ、その種はどんどん数を減らしていき、ついには絶滅します。
この「自分と同じ姿の個体とつくりだすこと」を「自己複製」と呼びます。
「自己複製」は生命の細胞も行っていて、遺伝情報(DNA情報)をほぼ正確にコピーし続け、ヒトの場合では60兆個にも及びます。
この中の1つである精子と卵子が出逢って私たちは生まれてくるのですね。
最初は1つの受精卵から始まり、最終的に60兆個まで増える…多大な労力のもとに私たちは成り立っています。
3、代謝による生命維持機能を有する
こちらは少し難癖をつけられるかもしれません。
「代謝」とは「必要なエネルギーを生み出す化学反応」のことです。
植物は光合成で代謝を行い、動物はその植物などを食べて代謝を行います。
では、一体どこに難癖をつけられるのか?
それはインフルエンザやノロといった「ウイルス」の存在です。
感覚的には、ウイルスも「生命」のような気はするのですが、自分自身ではエネルギーを生み出すことはできません。
つまり、ウイルスは代謝機能をもたず、他の「生命」にとりついて「自己複製」を行います。
さらに、ウイルスはタンパク質の薄い膜と遺伝情報だけで構成されていて、
「生命」を構成する基本単位のはずの細胞をもたない異様な存在です。
よって、ウイルスは「生命ではない」と考えられています。
「生命ではない」なら一体なんなのか…
…
…なんなんでしょうねw
あくまで「生命の定義」はヒトが勝手に作り上げた境界線なので、例外は当然あるというわけです。
ウイルスの存在自体も自然発生的なはずはないので、「生命」から外れた進化の形をとったということですね。
以上、「生命- 生命の定義とウイルスの分類」でした!
次章は『生命の誕生ー 最初の生命はどうやって生まれた?RNAワールド仮説?』です。
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「生命とは?|生命の定義とウイルスの分類」まとめ
生命の定義
1、外界と自己を隔てる膜を有している
2、自己複製能力を有する(自己複製:自分と同じ姿の個体とつくりだすこと)
3、代謝による生命維持機能を有する(代謝:必要なエネルギーを生み出す化学反応のこと)
一般に代謝機能をもたない「ウイルス」は生命ではないと考えられる。