化学

原子番号1,2,3,4,5|水素、ヘリウム、リチウム、ベリリウム、ホウ素/特徴・性質・名前の由来

投稿日:2016年4月25日 更新日:

 

今回からは周期表に正式に登録されている118種の元素を1つ1つ説明していきます

Hydrogen-Helium-Lithium-Beryllium-Boron

 

実は元素の名前は発見者(合成者)に委ねられていて、IUPACの会議はありますが、基本的に名前に制約はありません。

そのため、人名、地名、色や香りに由来するものなどユニークに富む元素名が多くあります

 

例えば、セレン(Se)はセレーネ(月)、チタン(Ti)は神話のタイタン、アインスタイニウム(Es)はアインシュタインなどです。

 

1つの章ですべての元素を説明するとさすがに長くなりすぎるので、

まずは『原子番号1,2,3,4,5ー水素(H)、ヘリウム(He)、リチウム(Li)、ベリリウム(Be)、ホウ素(B)』の5つを紹介します。

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原子番号1,2,3,4,5|水素、ヘリウム、リチウム、ベリリウム、ホウ素/特徴・性質・名前の由来

原子番号1 水素(H)/特徴・性質・名前の由来

 

「原子番号1 水素(H)」のHは「Hydrogen」のHです

ギリシャ語で水(Hydro)を生じる(genes)というように、水分子は水素原子2個と酸素原子1個からなります。

 

水素は、生物界でみてもDNAに必要不可欠な元素です。

DNAは2重らせん構造だということはご存じだと思いますが、

このらせん構造をゆるく固定しているのが水素であり、水素結合です

 

塩基を構成している窒素原子や酸素原子が、らせんの反対側の水素原子を電気的に引き付けることで弱くくっついています。

こうした弱い水素結合のおかげで、DNAがほどけやすくなり、DNAの複製に余分なエネルギーを必要としないのですね。

 

他にも水素は、燃料電池やロケット燃料に使われ、水やアミノ酸など多くの分子を構成する基本元素となっています。

水素

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原子番号2 ヘリウム(He)/特徴・性質・名前の由来

 

「原子番号2 ヘリウム(Helium)」の名前の由来は、ギリシア語の「太陽(Helious)」です。

 

希ガスであるため、原子単体でも非常に安定していて、体内に入れても無害です

そのため、変声ガスによく使われていますね。

 

ヘリウムは水素の次に軽い元素で、しかも安定している(=他の元素と反応しにくい)ため、

風船や飛行船、気球などに使われています

 

前回の『元素』の記事でも説明しましたが、水素とともに宇宙誕生の初期誕生したので、現在でも宇宙空間に豊富に存在しています。

トップは水素ですが、水素とヘリウムを合わせると宇宙の98%を占めるほどの圧倒的占有率です(重量比;水素が71%、ヘリウムが27%)。
ヘリウム

 

原子番号3 リチウム(Li)/特徴・性質・名前の由来

 

「原子番号3 リチウム(Lithium)」の名前の由来は、ギリシア語の「石(Lithos)」です。

リチウムも水素、ヘリウムとともに宇宙誕生の初期につくられたと説明しましたね。

 

金属という括りでなら、リチウムが最も軽い元素で水にも浮きます

炎色反応では「深紅色」と表現されることが多いほど、深い綺麗な発光色を出します。

 

有名な使い道としては、リチウムイオン電池でしょうか

軽くて充電効率も優秀なため、携帯電話やノートパソコンによく使われています。

 

他にも潤滑用のグリースであったり、炭酸リウマチは躁うつ病の治療薬として使われています

リチウム

 

原子番号4 ベリリウム(Be)/特徴・性質・名前の由来

 

「原子番号4 ベリリウム(Beryllium)」の名前の由来は、鉱物である「緑柱石(Beryl)」です。

やっとギリシア語から脱却できましたねw

あまり馴染みはないと思いますが、エメラルドの成分です

 

また、ベリリウムを銅の中に加えると強度がおよそ6倍に増し、導電性などの性質もほとんど変わらないので、

強力バネなどさまざまな工業用品に使われています

 

ただし、ベリリウム自体は極めて毒性が強いので、保管や加工に十分な注意が必要だというデメリットもあります。

ベリリウム

 

原子番号5 ホウ素(B)/特徴・性質・名前の由来

 

「原子番号5 ホウ素(Boron)」の名前の由来は、アラビア語の「ホウ砂(Buraq)」です。

ホウ砂は単体の原子としては自然界に存在しておらず、ホウ酸塩鉱物としてホウ砂やホウ酸石に含まれています

 

有名なところでは、ゴキブリの駆除剤であるホウ酸ダンゴでしょうか

 

他にも耐火性に優れているという性質から、実験用のビーカーやティーポットなどにも使われています。

特に窒素と結合させた窒化ホウ素(BN)はダイヤモンドのように硬い構造をもちます。

ホウ素

 

以上、『原子番号1,2,3,4,5ー水素(H)、ヘリウム(He)、リチウム(Li)、ベリリウム(Be)、ホウ素(B)/特徴・性質・名前の由来』でした!

最後までお読みいただき、ありがとうございました<(_ _)>

 

「原子番号1,2,3,4,5ー水素、ヘリウム、リチウム、ベリリウム、ホウ素/特徴・性質・名前の由来」まとめ

原子番号1 水素(H)/特徴・性質・名前の由来

・ DNAの2重らせん構造をつくる水素結合や燃料電池、ロケット燃料に使われる

・ 水やアミノ酸など多くの分子を構成する基本元素

原子番号2 ヘリウム(He)/特徴・性質・名前の由来

・ 希ガスであるため、原子単体でも非常に安定している

・ 変声ガスや風船や飛行船、気球などに使われている

・ 宇宙誕生の初期に作られ、宇宙の元素存在比は水素が71%、ヘリウムが27%

原子番号3 リチウム(Li)/特徴・性質・名前の由来

・ 金属という括りでは最も軽い元素

・ リチウムイオン電池、潤滑用のグリース、躁うつ病の治療薬として使われている

原子番号4 ベリリウム(Be)/特徴・性質・名前の由来

・ エメラルドの成分で、ベリリウム銅は強力バネなどさまざまな工業用品に使われている

・ ベリリウム自体は極めて毒性が強いので、保管や加工に十分な注意が必要

原子番号5 ホウ素(B)/特徴・性質・名前の由来

・ 単体の原子としては自然界に存在しておらず、ホウ酸塩鉱物に含まれている

・ ホウ酸ダンゴのほか、耐火性に優れているという性質からビーカーやティーポットなどにも使われている

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