科学の雑学Q&A 物理学・天文学・気象学

エルニーニョ現象とは?|簡単に2分で解説!

投稿日:2019年4月7日 更新日:

 

今回は『海水の雑学』として、

1、エルニーニョ現象とは?

2、日本にはどんな影響がある?

という2つの疑問に、”わかりやすく・簡単に” 答えていきます。

 【ざっくりと分かればいい】は最後の『まとめ』だけチェックすればOK!

El Niño phenomenon-What

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エルニーニョ現象とは?|日本への影響は?

エルニーニョ現象とは?|日本への影響は?

 

エルニーニョ現象とは?

まずは『エルニーニョ現象とは?』の答えから!

 

エルニーニョ現象」は、ずばり

南アメリカ大陸の赤道近く(【エクアドル】のあたり)の海水温1年間高くなる現象

で、「スペイン語」で

男の子(神の子)

という意味があります。

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もう少し正確に「エルニーニョ現象」を説明すると

【インドネシア付近の暖かい海水】が【エクアドル付近の冷たい海域】まで移動

することで、【海水温】が

 太平洋の西】側 ⇒ いつもより低温

 太平洋の【】側 ⇒ いつもより【高温】に

なるということです。

ちなみに、「エルニーニョ現象」とは逆に

エクアドルのあたり海水温が下がる(暖かい海水がより西に移動する)のは【ラニーニャ現象】

といって、こちらは「スペイン語」で

女の子

という意味です。

 

では、一体どうして

 エルニーニョ現象(ラニーニャ現象)は発生するの

でしょうか?

 

「エルニーニョ現象」がもたらされる【仕組み・メカニズム】は

1、風の強さが変わること

2、インドネシア付近の海水温が例年より広範囲で高くなること

の2つが有力だと考えられます。

 

まず「風の強さが変わること」については、

1、東風(エクアドルから太平洋側に吹いている風)が弱まること

2、西風バースト(太平洋の西側から東側に強く吹く風のこと)の発生

の2つがあります。

 

いずれも

 西 → 東 への風が強くなる

ことで

太平洋の【西】にあった暖かい海水が【東】へと移動

する結果につながります(よって東の海水温が高まる)。

 

ただし、確かに

エルニーニョ現象発生時は【東風】が弱まる

のですが、それは

エクアドルの海水温が下がった結果

でもあるので、実際のところは

大気と海水温が相互作用(要因が交絡)

していると考えられます(つまり、因果関係が複雑ではっきりと判別できないということ…!)。

 

「エルニーニョ現象」の要因のもう1つは

太平洋西側の海水温の広範囲な上昇

です。

 

これは

エルニーニョ現象が確認されている年に頻繁に確認

されており、現在の

大気海洋結合モデルにも海水温は組み込まれて

います。

 

…統計は専門分野なのですが、長々と説明すると読者の方に嫌われるので次の話題に移りましょうか。。。

 

エルニーニョ現象の日本への影響は?

次は『エルニーニョ現象の日本への影響』です!

 

「エルニーニョ現象の日本への影響」として、一般に

 夏&秋 ⇒ 気温が下がりやすい(冷夏になりやすい)

 冬&春 ⇒ 気温が上がりやすい(暖冬になりやすい)

傾向にあります。

 

「エルニーニョ現象が日本の気候にまで影響を与える理由」は

 海水温の配置が変わる

⇒ 上昇気流が発生する場所が変わる

⇒ 高気圧になる場所が変わり大気の流れ(風)が変わる

※ 海水温が高いほど水蒸気が増え暖かい空気は上に移動 ⇒ 雲が発生し低気圧に

詳しくは『低気圧で天気が悪い・高気圧で天気がいいのはなぜ?』を参照

という流れで、例えば

【夏】はインドネシアに高気圧がとどまる

⇒ 偏西風が日本に上がってくるタイミングが早すぎ赤道由来の暖かい空気(小笠原暖気団)が日本まで押し上げられない(日本を覆わない)

⇒ 寒い夏

となり

【冬】は中国の南を通った偏西風がインドネシアの高気圧により早めに日本に到着

⇒ とくに日本の南側で暖冬になりやすい(北日本へ風が届くころには暖かい風が冷えてくる)

という感じです。

 

実際にはもっと複雑なのですが、一般常識として

 エルニーニョ現象が起こるとインドネシアが高気圧になる

⇒ 偏西風の流れが変わって、夏は赤道の暖かい空気がまとまって日本に来ないし、冬は中国の暖かい空気が来る

と覚えておけば十分でしょう。

 

なお、あくまで

エルニーニョ現象のときは冷夏・暖冬になりやすい

というだけで

 必ずそうなるわけではない

ことは注意してください。

 

気象庁のデータhttps://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/data/elnino/learning/tenkou/nihon1.html)によると

冷夏・暖冬になるのは40~60%とそれほど高くない

ようです。

 

これは私自身もだいぶ意外でした。

気象庁のサイトは内容が充実していてヒマつぶしにはもってこいなので、科学好きな方はぜひ一度閲覧してみてください!

 

以上、『エルニーニョ現象とは?/日本への影響は?』について簡単にまとめました。

お読みいただきありがとうございました<(_ _)>

 

『エルニーニョ現象とは?/日本への影響は?』まとめ

 エルニーニョ現象とは? ⇒ 南米エクアドル付近の海水温が1年間高くなる現象(太平洋の西側の海水温が低温に、東側が高温になる)

 なぜ起こる? ⇒ 西風バースト・東風の弱まり・海水温の広範囲な上昇など要因は複数(大気と海水温の相互作用)

 日本への影響は? ⇒ 冷夏・暖冬になりやすい(北日本・沖縄を除き50~60%程度の確率)

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