健康に良いというイメージが定着している「乳酸菌」。
ヨーグルトやキムチなどに豊富に含まれていて、「腸から体を健康にする」と考えられていますね。
今回は『乳酸菌・ビフィズス菌の雑学|生きて腸まで届くって本当?体にいい?』として
1、乳酸菌とは?|種類と効果
2、乳酸菌が生きたまま腸に届くって本当?
の2本立てでお送りします。
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乳酸菌・ビフィズス菌|生きて腸まで届くって本当?体にいい?
乳酸菌とは?|種類と効果
乳酸菌とは、「ブドウ糖などの炭水化物から乳酸を作ることのできる細菌」の総称です。
1種類の細菌を指しているわけではなく、
乳酸を作るという特徴をもとに慣用的に「乳酸菌」と呼ばれているだけです。
そのため、乳酸菌の種類は200以上あって、有名な「ビフィズス菌」や「ラクティス」なども乳酸菌の1種です。
では、なぜ乳酸菌が体に良いのかみていきましょう。
乳酸菌は腸で活発に活動する「腸内細菌」で、食べた炭水化物を乳酸、酢酸、エタノールに変換します。
酢酸とエタノールは体に無害なので置いておくとして、残りの「乳酸」が有益性を示します。
乳酸はカルボン酸の1種で酸性を示すため、
周りの環境を酸性に変化させて他の有害な菌を殺す、または繁殖を抑える効果があります。
その上、免疫機能を高める働きもあるため、種々の病気や花粉症などのアレルギー症状を改善する働きもあります。
成人の方の腸内細菌は1kg以上あると考えられていますが、そのうちの1,2割はこの乳酸菌だと推測されています。
よって、かなりの量をもともと持っているということになりますね。
では、ここにさらに乳酸菌を加えることは本当に有効なのでしょうか?
また、「生きて腸まで届く」とアピールしている商品の効果はいかほどなのでしょうか?
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乳酸菌が生きたまま腸に届くって本当?
「生きて腸まで届く」という表現自体は間違いではありません。
しかし、大部分の乳酸菌は強い酸には弱いため、多くは胃酸によって死んでしまいます。
加えて、腸に届いたわずかな乳酸菌も、概して腸内で繁殖することはなく、
数日から数週間滞在したあとウンチとして排出されます。
よって、乳酸菌全般で考えれば、
腸内にいる100兆個の細菌の中に「生きて腸まで届いた乳酸菌」がわずかに加わったとしても大きな効果は期待できません。
ただし最初に述べたとおり、乳酸菌の種類が200以上あるため、種ごとに性質は大きく異なります。
例えば、胃酸に強い乳酸菌や腸内でも増殖可能な乳酸菌も確かに存在しています。
商品として有名なのはグリコの「ビフィズス菌BifiX」でしょうか。
この商品に含まれるビフィズス菌においては、酸耐性と強い腸内繁殖能力が報告されています(第67回日本栄養・食糧学会より)。
せっかくなので、画像をグリコHPよりお借りしてきました。
※ 画像はグリコ健康科学研究所より(http://www.glico.co.jp/laboratory/bifix/01.html)
少し見えずらいかもしれませんが、ある乳酸菌や一般的なビフィズス菌が腸内で増えないのに対し、
ビフィズス菌BifiX固有のビフィズス菌は増加しています。
このことからも有効な乳酸菌を摂取すれば十分な効果が期待できる可能性はあります。
ただ、特に免疫機能に有益性を示すのは、継続的に摂取して腸内の乳酸菌量が増加した状態を維持することが必要です。
そのため、一度食べただけで花粉症が改善するという可能性は低いと考えられます。
「ビフィズス菌BifiX」のヨーグルトは400g入りで150円程度と高くはないので、
毎週一度は食べる習慣をつけ効果を調査してみてはいかがでしょうか。
以上、『乳酸菌・ビフィズス菌の雑学ー生きて腸まで届くって本当?体にいい?』でした!
最後までお読みいただき、ありがとうございました<(_ _)>
「乳酸菌・ビフィズス菌|生きて腸まで届くって本当?」まとめ
乳酸菌とは?
・ 乳酸菌とは炭水化物から乳酸を作ることのできる細菌の総称
・ 乳酸菌はビフィズス菌など200種類以上いて、種ごとに特性は大きく異なる
なぜ乳酸菌が体に良いのか
・ 乳酸菌の作る乳酸が、周りの環境を酸性に変化させ他の有害な菌を殺す、または繁殖を抑える効果があるため
・ 他にも免疫機能を高め、種々の病気や花粉症などのアレルギー症状を改善する働きもある
乳酸菌が生きたまま腸に届くって本当?
・ 嘘ではないが、大部分の乳酸菌は強い酸に弱いため、多くは胃酸によって死ぬ
・ 加えて、腸に届いた一部の乳酸菌も、概して腸内で繁殖することはなく、数日から数週間滞在したあと排出される
・ ただし、商品利用されている一部の乳酸菌の中には、胃酸に強い乳酸菌や腸内でも増殖可能な乳酸菌も存在している
・ グリコの「ビフィズス菌BifiX」に含まれるビフィズス菌からは、酸耐性と強い腸内繁殖能力が報告されている
・ 一時的に乳酸菌を増やすことよりも、持続的に腸内の乳酸菌量が増加した状態を維持することが重要