今回は『化学の雑学』として、
2、放射線が体に悪いのはなぜ?
という疑問に、”わかりやすく・簡単に” 答えていきます。
放射線とは?体に悪いのはなぜ?
放射線とは?体に悪いのはなぜ?
「放射線が体に悪い理由」は、ずばり
【放射線】が体の中にまで入り込んできて細胞を分子レベルで壊すから
放射線とは? ⇒ とても強いエネルギーをもっており体のパーツ(原子核)を崩壊させるもの(下記の【放射性物質】から生み出される)
α線(アルファ線)⇒ 陽子2個・中性子2個でヘリウム原子核と同じ粒子;物をすり抜ける力は弱く(← 透過力が小さい ≒ 電離作用が強い)ため紙1枚で進行停止
β線(ベータ線)⇒ 電子と同じ;ただ高い運動エネルギーをもち(初速は光速レベル)、放射性崩壊によって放出されるため別呼称としている
中性子線 ⇒ 中性子の粒子線;エネルギー自体は相対的に他より小さいが透過力は非常に大きく、線量あたりの悪影響は放射線トップクラス
γ線(ガンマ線)⇒ α粒子・β粒子の放出(崩壊現象)にともない放射される電磁波(高エネルギー光子);透過力が大きいが、厚いコンクリートにより進行停止(原子炉の重厚な壁はγ線対策)
X線(エックス線)⇒ レントゲンに使用される放射線;波長が1pm~10nmほどで、シンプルな電子遷移で発生させることができるため広く活用されている
※ 覚えて欲しい有名どころだけピックアップしました
で、ざっくりいえば
というイメージで理解してもらえればOKです。
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読者様からの質問で「細胞を壊すメカニズム」について気になっている方がいたので簡単に説明を。
わかりやすく荷電粒子(電荷をもつα線・β線)を例にしてみます。
大まかな流れは、
【高エネルギーの放射線】が【人体】に照射される
⇒ 【放射線】が人体を通り抜けるとき、途中で【細胞内の分子(原子)】にぶつかる
⇒ 【分子(原子)の電子】をぶっとばす
⇒ 【飛ばされた電子】も【他の分子(原子)の電子】をふっとばしたり、外に出ていったりする
⇒ エネルギーが十分に小さくなるまで【電子ふっとばし大会】が続く
⇒ 【電子ふっとばし大会】が終わるころには、細胞はボロボロで分子が壊れたり形質を変えたりしている(遺伝子レベルの損傷)
⇒ 一定量は修復が可能だが、許容量を超えると壊れた機能を取り戻せない&制御できなくなる(これがニュースで報道されているシーベルト量)
⇒ 細胞が死ぬことの出来なくなった【ガン細胞】の増殖をコントロールできなかったり、種々の疾患(【白血病】など)につながる
という感じです。
電子のイメージとしては以前の記事で紹介した『雷はなぜ・どうやってできる?|仕組み』に近い現象なので、合わせて覚えておくとよいでしょう。
以上、『放射線とは?体に悪いのはなぜ?』について簡単にまとめました。
お読みいただきありがとうございました<(_ _)>
放射線が体に悪い理由 ⇒ 放射線が体内の分子(原子)を修復不可能なほど壊すことがあるから