「0(ゼロ)」という数字を誰しもが一度は疑問に思ったことがあるのではないでしょうか?
「0個ってなに?」、「1×0=0ってどういうこと?」、「なぜ0で割ってはいけないの?」などなど…。
小学生のころ疑問に思っても先生はきちんと答えてくれません。
私も「そういうルールだから」とあしらわれた記憶があります。
しかし、実際にはたいして難しい理由ではないのです。
「0で割ってはいけないルール」も、話し方さえ間違えなければ小学生にも十分説明できます。
今回は『0の役割とありがたさーゼロの意味ってなに?』として、
数字の「0」に注目して、まずは「0の意味」を説明していきましょう。
次章で「1×0=0の理由?」、その次の章で「1÷0をやってはいけない理由」を簡潔に説明していきます。
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0の役割とありがたさ/ゼロの意味ってなに?
0(ゼロ)の意味
まずは「0(ゼロ)の意味」から説明していきます。
0(ゼロ)がないと数学が成り立たないわけではありません。
ただ、覚えることが余計に増えるだけです。
言い換えると、「0の意味は数学を単純・簡潔にすること」となります。
例えば、ローマ数字を例にとってみましょう。
ローマ数字では、1はⅠ、10はⅩ、100はC、1,000はMで表されます。
よって、2,003という数字を表すと「MMⅠⅠⅠ」です。
この程度なら問題はありませんが、1億、1兆、1京(けい)などと位が増えていくとどうでしょう?
単位が増えるごとに「Ⅹ」や「C」などとは違う記号をどんどん増やしていかなければなりません。
限りなく大きい数字を表すためには、限りなくたくさんの記号が必要になるということです。
数学的に言い換えれば、「0がなければすべて自然数を表現することはできない」となりますね。
これは日本の漢数字の場合でも同様です。
「京」の次は「垓(がい)」ですが、その次を知っている方はどれだけいるでしょうか?
…私ももう忘れました。
0という数字さえ認めてしまえば、
「1907970075244390738074680………」などというメルセンヌ素数ですら、
言葉で読みあげることはできなくても表現することはできるわけです。
まとめると、「0は必要不可欠ではないが、数学を単純・簡潔にするためにはあった方が良い」ということですね。
つまり、きちんと0(ゼロ)には意味があるわけです。
他にも0(ゼロ)がもたらす恩恵(意味)はあります。
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0(ゼロ)のありがたさ
例えば、マンションで地下1階から地上2階に行きたい場合を考えましょう。
何階分上る必要がありますか?
感覚的に答えれば、まず1階に行って、次に2階だから…答えは「2階分上る必要がある」ですね。
では、数学的に考えてみましょう。
2階-(ー1階)=3階……?
3階分となってしまいました。
これはマンションに0階がないことが原因です。
数学の場合でも0がなければ、これと全く同じ現象が起きて、「+2」と「ー2」の対象関係が崩れてしまいます。
0という概念をすっとばすと、1個あるリンゴを1個食べたら、-1個になったという感覚です。
つまり、現在の数学の引き算の公式を変更しなければなりません。
その程度ならまだマシですが、方程式自体も煩雑になるので、高校生レベルの証明問題や公式を導く場合でさえ、
少なくとも私の頭では手に負えないほど難易度が増します。
具体的には「X2+aX+b=0」という2次方程式が使えない以上、
この式をわざわざ4つに分解して考えないといけない…といった感じですね。
少しでも「0(ゼロ)」の偉大さと必要性をわかっていただけたでしょうか?
「0は必要不可欠ではないが、数学を単純・簡潔にするためにはあった方が良い」などと説明してしまいましたが、
やはり「0がなくては非常に困る」というのが本音です。
以上、『0の役割とありがたさーゼロの意味ってなに?』でした!
次章では『1×0=0』の謎に迫ります。
1個のリンゴに0をかけると0個……意味が分かりませんねw
興味のあるお方は、読んでいただけると著者冥利に尽きます<(_ _)>
「0の役割とありがたさ/ゼロの意味ってなに?」まとめ
0(ゼロ)の意味
・ 0(ゼロ)がないと数学が成り立たないわけではない
・ 0(ゼロ)の意味は数学を単純・簡潔にすること
・ 0(ゼロ)がなければ、限りなく大きい数字を表すためには、限りなくたくさんの記号が必要になる
・ よって、すべて自然数を表現するために0の概念が必要
0(ゼロ)のありがたさ
・ 0(ゼロ)がなければ「+」と「ー」の対象関係が崩れる
・ 「X2+aX+b=0」などの方程式は使えなくなり、細かく分解して考えなければならなくなる