最近の体重計では、体重の他にも「体脂肪」や「内臓脂肪」の割合のわかる体重計が増えています。
アマゾンでも3,000円台から売られるほどに高性能な体重計は安価になりましたね。
では、一体「体脂肪」や「内臓脂肪」の割合はどうやって算出しているのでしょうか?
体重だけならまだしも、体重計に乗っただけで体内の脂肪量がわかるのというのは不思議なものです。
今回は『体重計の体脂肪率ってどうやって計っているの?』と題して、
「体脂肪率の測定の原理と仕組み」についてわかりやすく説明したいと思います。
体脂肪率を測定する原理・仕組み/体重計でどうやって計る?/脂肪率を下げる裏技?
体重計の体脂肪率の測定の原理・仕組み|電気抵抗と水分量
実は、体重計が体脂肪率を測定する原理・仕組みはいたってシンプルです。
体脂肪測定の結論から述べると、
体内の脂肪は電気を通しにくいが、水分は電気を通す。その導電性から脂肪量(=体脂肪率)を計算している
ということです。
わかりやすく説明していきましょう。
スポンサーリンク
体の大部分は「脂肪」と「筋肉」、「水分」から成り立っています。
そして、体脂肪率を測定するうえでキーとなっているのが「水分量」です。
ここで中学校の理科で習った「電気抵抗」を思い出してみましょう。
「電気抵抗」とは「どれだけ電気を通しやすいか」を表す指標のことで、
電気を通しやすければ「電気抵抗が小さい」、通しにくければ「電気抵抗が大きい」といいます。
例えば、電気を通しやすい金や銀などの金属は「電気抵抗が小さい」のに対し、
ゴムや紙などはほとんど電気を通さないので「電気抵抗が大きい」といいます。
では、本題に戻って「体内の水分」の電気抵抗はどうでしょうか。
純粋な水であれば本来 水は電気を通さないのですが、
「体内の水分」の場合、多くのイオンが混ざっているので電気を通しやすくなっています。
つまり、「電気抵抗が小さい」といえますね。
加えて、「筋肉」についても多くを水分が占めているため電気を通しやすくなっています。
一方で、「脂肪」はあまり電気を通しません。
電気抵抗について少しまとめておくと、
脂肪 ⇒ 電気を通しにくい
筋肉 ⇒ 電気を通しやすい
水分 ⇒ 電気を通しやすい
となります。
これで、だんだんと「体重計が体脂肪率を測定する原理・仕組み」がわかってきたでしょうか。
体重計は「体に電流を流し、電気抵抗を計ることで体脂肪率を算出している」のです。
電流といっても非常に微弱なものなので、感電死はもちろん体に痺れを感じることもまずありません。
もう少し具体的に「体重計が体脂肪率を測定する原理・仕組み」について述べておくと、
筋肉や水分の他にも骨や内臓の組織にいたるまで電気抵抗から重さを算出して、
それらを体重から引いた値を「体脂肪量」として定義しています。
体脂肪量さえわかれば、あとは「(体脂肪量)/(体重)」で体脂肪率がわかります。
ちなみにちょっと補足ですが、「純粋な水(純水)は電気を通さない」と表現しましたが、
理科の実験などで「蒸留水が電気を通した」という経験をお持ちの方がいるかもしれませんね。
本来 蒸留水でも電気は通さないのですが、実験の過程などで二酸化炭素を含んでしまったり、
他の元素を取り込んだりするとそれらを媒体として電気を通すことが良くあります。
つまり、実験が雑だと純水は作れない ということです。
また、水道水は純水ではないので電気をよく通します。
体内と同じように多くのイオンが含まれているので、間違っても水道水で感電の実験などはしないようにお願いします。
さて、「体重計が体脂肪率を測定する原理と仕組み」について述べてきましたが、
この原理を踏まえると「体脂肪率を減らす裏技」もみえてきます。
ちょっとコラム的な感じで簡単に説明します。
スポンサーリンク
体重計の体脂肪率を下げる裏技?|カギは水のガバ飲み
先程の「体重計が体脂肪率を測定する原理」では、
「脂肪以外の電気抵抗をつかって体脂肪率を計算している」と述べました。
つまり、裏を返せば「脂肪以外の重さを増やせば、体脂肪率は下げられる」ということです。
具体的にどうするのかというと「水を一杯飲む」です(笑)
ちょっとバカらしいかもしれませんが、摂取した水分はほとんどそのまま体脂肪率の減少につながります。
例えば体重60kg、体脂肪12kg(体脂肪率20%)の方が1kgの水分を飲んだとしましょう。
すると、体重61kgに対して体脂肪は12kgのままなので、体脂肪率は「12/61=19.7%」となります。
頑張って1kg水を飲めば、0.3%も体脂肪率が下がるという…バカらしいですね笑
1kgも水を飲むというのは置いておいて、少しだけ真面目な話を。
繰り返しになりますが、体脂肪を測定するうえでカギとなるのは「水分」です。
例えば、朝起きてすぐに体重を測定すると、
汗によって水分が失われているので「体重が少ないわりに体脂肪率が高い」と感じるでしょう。
逆に食後に体重を計ると、
食事によって水分が増えているので「体重は増えているけど、体脂肪率は変わらない」と感じるかもしれません。
何が言いたいかというと、
正確に体脂肪率を測定したいのであれば「決まった時間・決まったサイクルで体重計に乗る必要がある」ということです。
具体的には「寝る前」か「起きてすぐ」のどちらかが適しているでしょう。
私もメタボ一歩手前なので体脂肪率は気になり始めているのですが、
結果に一喜一憂せず素直にダイエットに励みましょう…。。。
以上、『体脂肪率を測定する原理・仕組み-体重計でどうやって計っているの?脂肪率を下げる裏技がある?』でした!
最後までお読みいただき、ありがとうございました<(_ _)>
「体脂肪率を測定する原理・仕組み-体重計でどうやって計っているの?脂肪率を下げる裏技がある?」まとめ
体重計の体脂肪率の測定の原理と仕組みー「電気抵抗と水分量」
・ 体脂肪率の測定は、電気抵抗(電気の通しやすさ)を利用している
・ 脂肪以外の組織の多くが水分を含んでいるため、電気を通しやすい
・ 一方、脂肪は電気を通しにくい
・ 体重計は体に電流を流し、電気抵抗から脂肪量を計算している
体重計の体脂肪率を下げる裏技?
・ 体内の水分量を増やせば、体脂肪率は一時的に下げることができる
・ ただし、体重60kg、体脂肪率20%の人が水を1kg飲んでも、体脂肪率は0.3しか減らない
・ 食事や汗によって体内の水分量は上下するため、就寝前や起床後など決まった時間に体脂肪を計る必要がある