今回は『竜巻の雑学』として、
1、竜巻が起こるのはなぜ?
2、どうして竜巻はアメリカで多くて日本で少ないの?
という2つの疑問に、”わかりやすく・簡単に” 答えていきます。
竜巻が起こるのはなぜ?/アメリカで多く日本で少ない?
竜巻が起こるのはなぜ?/アメリカで多くて日本で少ない?
まずは『竜巻が起こるのはなぜ?』から!
「竜巻が起こる理由」は、ずばり
【空気の渦】があるところに、とても強い【上昇気流が発生】したから
です。
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わかりやすく言い換えると
小さい竜巻がもともとあって、そこの空気が一気に上に押し上げられて雲と合体したから
と表現できます。
まず竜巻が起こるのは
大きく発達した積乱雲(スーパーセル)
の下で、スーパーセルでは
強い【下降気流】と【上昇気流】が発生
しています。
猛烈な雨が降っている場所では【下降気流(ダウンバースト含む)】
になり、その周辺では
暖かい空気が雨で冷やされた地面&大気から逃げるようにして【上昇気流】
を発生させます。
このとき、相対的に
【下降気流】では気圧が高く【上昇気流】では気圧が低く
なるため
空気の乱れ(風)が発生
します(気圧傾度力;大気は高気圧→低気圧へ)。
この乱れた空気には
地球が自転していることによる慣性力(コリオリ力)
に加え
渦を巻いて回転することによる遠心力
が発生します。
ざっくりと言えば
めちゃくちゃ大気が荒れていて、風がいくつも発生&衝突している
というイメージでOKです(ウインドシア)。
そんな大気が乱れている場所には
たくさんの空気の回転(渦)が存在
しており、その渦のある場所で
一気に上昇気流が強まると竜巻が発生
するわけです。
「一気に上昇気流が強まる」理由としては
積乱雲の発達
が考えられ
雨・風が強くなる(【下降気流】が強まる)
⇒ 【上昇気流】との気圧差が大きくなる
⇒ 気圧差による力(気圧傾度力)が【上昇気流】方面へと強まる(上昇気流の方が低気圧で、大気は高→低へ移動するため;メソサイクロンの発達)
⇒ 上昇気流が強まる
という流れです。
「竜巻が起こる理由」については不明な要因が多いのも事実ですが、大規模な竜巻は大規模な積乱雲を伴っていることが多いため、基本的には「上昇気流の急速な強まり」が主要因である可能性が高いと考えられます。
では、続いて
どうして竜巻はアメリカで多くて、日本では少ない
のでしょうか?
実際には、竜巻の発生頻度(単位面積当たり)は
アメリカは日本の3倍程度
なので
とりわけ日本で竜巻が少ないわけではない
のですが
大規模な竜巻はアメリカの方が圧倒的に多い
のもまた事実です(日本で竜巻がニュースになるのは夏・秋に0~2回程度ですよね)。
竜巻の発生頻度が「アメリカと日本で違う理由」は、
積乱雲が大きく発達しやすいかどうか
です。
アメリカなど強い竜巻が発生する地域では
寒気と暖気がぶつかって(前線)大気が不安定
になっている場所が多く、そこでは
気流の変化による雨(対流性降水)
が多くなります。
わかりやすく言えば
スコールといった集中豪雨
が多いということです。
「竜巻が起こるのはなぜ?」で説明したように
雨が強くなる ≒ 下降気流が強まる
ことにつながりやすいので
スコールが多い ⇒ 積乱雲が発達しやすい ⇒ 大規模な竜巻が発生しやすい
というわけです。
かなりざっくりと説明しましたが、以上でだいたいは理解してもらえたでしょうか?
気象学は大まかなメカニズムは単純でも、1つ1つの現象はまだ解明されていないものが多く説明するのも大変ですが理解するのはもっと大変かもしれませんね…。
以上、『竜巻が起こるのはなぜ?/アメリカで多く日本で少ない?』について簡単にまとめました。
お読みいただきありがとうございました<(_ _)>
『竜巻が起こるのはなぜ?/アメリカで多く日本で少ない?』まとめ
竜巻が起こるのはなぜ? ⇒ 発達した積乱雲下で空気の渦ができ、そこに強い上昇気流が生じるから
アメリカで多く日本で少ない? ⇒ 日本がとりわけ少ないわけではないが、大規模な竜巻はアメリカの方が多い
なぜアメリカで多い? ⇒ 積乱雲が発達しやすいから(寒気と暖気がぶつかることによる大気の不安定化 ⇒ スコールなどの集中豪雨の発生)