化学

原子番号56,57,58,59,60|バリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム/特徴・性質・名前の由来

投稿日:2016年5月6日 更新日:

 

今回は「原子番号56,57,58,59,60」にあたる

バリウム(Ba)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)の説明です。

これでやっと半分は終わりますね…。

barium, lanthanum, cerium, praseodymium, neodymium

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原子番号56,57,58,59,60|バリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム/特徴・性質・名前の由来

原子番号56 バリウム(Ba)/特徴・性質・名前の由来

 

「原子番号56 バリウム(Barium)」の名前の由来は、ギリシア語の「重い(Barys)」です。

 

バリウムには嫌なイメージをお持ちの方が多いかもしれませんね。

人間ドックにある「バリウム検査」のバリウムです

 

これはバリウムが多くの電子をもっている性質を利用したもので、

胃をバリウムで満たせばX線を通しにくくなるため造影剤として活用されています。

 

実際に飲んでいるのは硫化バリウム(BaS)で、

実は硫化バリウム以外のほとんどのバリウム化合物は毒性が強いことで知られています

 

また、バリウムの炎色反応ではキレイな緑色を示すため、花火にもよく使われています

バリウム

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原子番号57 ランタン(La)/特徴・性質・名前の由来

 

「原子番号57 ランタン(Lanthanum)」の名前の由来は、ギリシア語の「かくれる(Lanthanein)」です。

 

ランタンは天体望遠鏡に代表されるような高屈折率や低分散光学ガラスの原料として有用です

 

また、ランタンとニッケル(Ni)の合金(LaNi)には水素を吸収し貯蔵する性能があるため、

燃料電池など水素を安全に貯蔵する際に使用されています

 

他にもライターの石に利用されたり、電子ビームの発生電極材料として活用されています。

ランタン

 

 

原子番号58 セリウム(Ce)/特徴・性質・名前の由来

 

「原子番号58 セリウム(Cerium)」の名前の由来は、小惑星の「ケレス(Ceres)」です。

 

酸化セリウムには紫外線を吸収する性能があるため、

紫外線対策用のサングラスや車窓など幅広いプラスティック・ガラス製品に使用されています

 

また、セリウムと酸素(O)の結合が非常に強固なことから、ガラスなどの研磨剤として活用されています。

他にもテレビの青色蛍光体となっているのがセリウムですね。

セリウム

 

 

原子番号59 プラセオジム(Pr)/特徴・性質・名前の由来

 

「原子番号59 プラセオジウム(Praseodymium)」の名前の由来は、ギリシア語の「ニラ(Prasisos)と双子(Didymos)」です。

 

マイナーな元素トップ10に入るほど知名度の元素ですね。

あまり用途がない元素ではあるのですが、空気中で酸化されて表面が黄色くなるため、

陶磁器やガラスの着色剤として使用されています

 

他には溶接作業用のゴーグルに使用されている程度ですね。

プラセオジウム

 

 

原子番号60 ネオジム(Nd)/特徴・性質・名前の由来

 

「原子番号60 ネオジム(Neodymium)」の名前の由来は、ギリシア語の「新しい(Neo)と双子(Didymos)」です。

 

ネオジム磁石は、最強の磁石として有名ですね

 

『レアアースとレアメタル』の記事でも説明しましたが、ネオジム磁石が非常に強力なのは、

ネオジムに鉄を入れると、鉄の磁気に加えてネオジムの磁気も同一方向に固定するので、

全体として強力な磁気モーメント(磁石の力)が発生するという原理からです。

 

ネオジムは現在では最強の永久磁石であるため、

MRIの磁気やハイブリッド車のモーターなど性能が重要な機械によく使用されていますね。

ネオジム

 

 

以上、『原子番号56,57,58,59,60ーバリウム(Ba)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)/特徴・性質・名前の由来』でした!

最後までお読みいただき、ありがとうございました<(_ _)>

 

 

「原子番号56,57,58,59,60ーバリウム(Ba)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)/特徴・性質・名前の由来」まとめ

原子番号56 バリウム(Ba)/特徴・性質・名前の由来

・ バリウム検査に使用される

・ バリウムは電子を多く持っているおり、X線を通しにくくしている

・ 炎色反応ではキレイな緑色を示すため、花火にも使われている

原子番号57 ランタン(La)/特徴・性質・名前の由来

・ 高屈折率や低分散光学ガラスの原料

・ ランタンとニッケル(Ni)の合金(LaNi)には水素吸収・貯蔵能力がある

・ その他、ライターの石や電子ビームの発生電極材料として活用されている

原子番号58 セリウム(Ce)/特徴・性質・名前の由来

・ 酸化セリウムには紫外線を吸収する性能があるため、紫外線対策商品に使われている

・ セリウムと酸素の結合は非常に強固であり、ガラスなどの研磨剤として活用できる

原子番号59 プラセオジム(Pr)/特徴・性質・名前の由来

・ 工業的な用途はあまりない

・ 陶磁器やガラスの着色剤として利用されている

原子番号60 ネオジム(Nd)/特徴・性質・名前の由来

・ ネオジム磁石は、最強の永久磁石

・ ネオジムに鉄を入れると、鉄の磁気に加えてネオジムの磁気も同一方向に固定する

・ MRIの磁気やハイブリッド車のモーターなど性能が重要な機械によく使用されている

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